さとうなおきの「週刊アジュール」 第13回
「KubeCon」と「SpringOne Platform」のAzure新発表まとめ
AzureにAMD搭載VMインスタンス「Lv2シリーズ」が登場
2017年12月15日 10時30分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Pivotalイベント「SpringOne Platform」でのAzure関連発表
12月4日から7日に、米国サンフランシスコでPivotalのカンファレンス「SpringOne Platform」が開催されました。これに併せて、Java、Spring、Cloud Foundry関連のアップデートがあります。
Azure StackでPivotal Cloud Foundryのベータが利用可能になることが発表されました。
また、Azure Marketplaceで公開されているPivotal Cloud Foundryのテンプレートが改善され、VM(仮想マシン)数が70%削減された、より軽量な構成がサポートされました。
新たに発表されたSpring Boot Starters for Azureを使って、Spring BootでAzure サービスへの依存関係を管理するのが簡単になりました。Spring Initializrでもサポートされています。
今年10月に開催されたJavaOneカンファレンスで、サーバーレスアーキテクチャのアプリケーション実行環境を提供するAzure FunctionsでのJavaサポートのプレビューがリリースされました。その後、コミュニティからのフィードバックを基に、改善が続けられています。今回、コードエディター「Visual Studio Code」でのAzure Functions向けJava開発に関する、次の2つの新機能が発表されました。
- Visual Studio Codeのデバッガーの、Azure Functions上で動作するJava関数への接続
- Azure Functions拡張機能
Spring Boot開発者を支援するVisual Studio Code向けの拡張機能「Spring Boot Development Extension Pack」もリリースされました。
詳細は、ブログポスト「Bringing hybrid cloud Java and Spring apps to Azure and Azure Stack」、AzureでのSpringのドキュメントをご覧ください。
Kubernetesイベント「KubeCon」でのAzure関連発表
12月6日から8日に、米国オースティンでKubernetesのカンファレンス「KubeCon」が開催されました。これに併せて、Kubernetes関連のアップデートがあります。
Azure Container Instancesは、クラスターの管理なしにコンテナーを実行できるサービスです。今年7月にAzure Container Instancesが発表され、プレビューが始まった際に、KubernetesからAzure Container Instancesにコンテナーをデプロイ可能にする「Azure Container Instances Connector for Kubernetes」もリリースされていました。
今回、このコネクターに代わるものとして、「Virtual Kubelet」が発表されました。Virtual Kubeletは、Kubernetesのkubelet(ノードエージェント)実装です。Virtual Kubeletを使うことで、Kubernetesクラスターに、Azure Container Instances、Hyper.shといったコンテナーランタイムをプラグインできます。
Open Service Broker APIは、Cloud Foundry、OpenShift、Kubernetesといったプラットフォーム上のアプリケーションに対してサービスを提供するためのAPIです。今回、Open Service Broker APIを実装した「Open Service Broker for Azure」がリリースされました。Open Service Broker for Azureは、Azure Cosmos DB、Azure SQL Database、Azure Database for MySQL/PostgreSQL、Azure StorageといったAzureサービスをサポートしています。Cloud FoundryやKubernetesから、Azureサービスを使いやすくなりますね。
詳細は、ブログポスト「Azure brings new Serverless and DevOps capabilities to the Kubernetes community」、「Connect your applications to Azure with Open Service Broker for Azure」をご覧ください。
この連載の記事
-
第155回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第154回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第153回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第152回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第151回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 -
第150回
TECH
Azure CDNが準リアルタイムのログ/メトリックをサポート -
第149回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第148回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第147回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第146回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第145回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 - この連載の一覧へ