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「Clova」「OK, Google」「Alexa」どれを呼ぶ?

Amazon、グーグル、LINEが激突! 失敗しないスマートスピーカーの選び方

2017年11月21日 10時00分更新

文● 加藤英明 編集●ゆうこば

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「Google Home/Home mini」
検索技術の強みを生かされた最も使える製品

Google Home

 グーグルが開発した「Googleアシスタント」を搭載するのが、「Google Homeシリーズ」だ。2017年5月末からは、Android 6.0以降を搭載するスマートフォンにも順次配信されているので、Androidユーザーにとってはなじみが深いアシスタントだろう。

iOSでもアプリを使えば利用できるが、最近のAndroid端末であれば最初からGoogleアシスタントが使える

 古くから検索エンジンを手がけてきたこともあって、その検索機能のレスポンスの良さは他社製品と比べても秀でている。

 たとえば、「アメリカ合衆国の大統領は?」と筆者が問いかけると「ドナルド・トランプ」である旨の回答を得られるが、そこで「彼は何歳?」と更に問いかけると「71歳です」と以前の質問を踏まえた回答をしてくれる点もうれしいポイント。

 また、Googleマップを用いた経路検索やスポット検索の回答精度もほぼカンペキと言っても良いレベルで、流石検索エンジンを自社開発していると言った印象を受ける。

 現状、動作や返答が最も安定しているため、一番オススメできるのがGoogle Homeシリーズである。しかしながら、日本語の発音については開発途上であるためか、ソフトウェアの更新によってその雰囲気が大きく変化しているので注意が必要だ。

 日本語文章における誤読は、ほかの人工知能と比較すると少ないのでその点は安心できるが、日々使い勝手の向上に努めている模様なので、その進化に期待していきたい。

音質などに制限があるものの、置く場所に困らないGoogle Home Mini

 Google Homeシリーズは、通常サイズの「Google Home」と小型サイズの「Google Home mini」の2種類をラインアップされており、価格はそれぞれGoogle Homeが1万5120円、Google Home miniが6480円となる。

「Amazon Echo/Echo Dot/Echo Plus」
買い物がラクになる

Amazon Echo

 インターネット通販大手のAmazonが手がけるスマートスピーカーが「Amazon Echoシリーズ」だ。独自の人工知能「Alexa(アレクサ)」を搭載し、Amazonでの注文機能の他にパートナー企業が開発した機能を「スキル」としてスピーカーに追加可能な点が特徴。

 初代の「Amazon Echo」は2014年に発売しており、そのため海外市場では、元祖スマートスピーカーとしてのポジションを獲得している様相だ。

 ラインアップとして、一般的なサイズの「Amazon Echo」のほか、小型・廉価が特徴の「Amazon Echo Dot」や、スマートホームハブ機能を内蔵する「Amazon Echo Plus」の3機種を用意する。本体価格はそれぞれ、Echoが1万1980円、Echo Dotが5980円、Echo Plusは1万7980円となっている。

 Amazon Echoシリーズを用いて商品を注文する方法も至ってカンタンで、「Alexa、○○を注文」と話しかけるだけで、Amazonで取り扱う商品を検索し、音声で紹介してくれる。

 Amazon Echoの「購入しますか?」と言う問いかけにユーザーが答えることで注文を行うことが可能である。なお、決済手法は1-Click決済に設定されている決済手法に基づくので注意が必要だ。

消耗品などは思いついたとき話しかけるだけで買えるのは便利だ

 特におもしろいのが、パートナー企業のサービスをAmazon Echoシリーズから呼び出すことが可能な「スキル」と言う機能の存在だ。

 ユーザーは、スマホで「Amazon Alexa」アプリをダウンロードして使用することで、Amazon Echoシリーズのセットアップをし、同アプリからはスキルの追加も可能となっている。

 たとえば、牛丼チェーン「すき家」をはじめとする一部の飲食店では、メニューの持ち帰りの予約などの機能を利用できる。発表会の段階では100社以上のパートナー企業より265種類ものスキルが公開されており、これからもスキルは増えていくとのこと。今後の進化にも期待したい。

Alexa対応のサービスやデバイスは今後も増えていく見通し

 現状としてAmazon Echoシリーズでは、発売から時間が経っていないこともあってか、残念ながら日本語の読み上げ性能にやや難があるように感じる。漢字を含んだ単語の誤読や、ネイティブ風ながらもやや可笑しい英単語などが特に印象的である。

 とはいえ、極端に致命的な誤読は少なく、この点については後日のアップデートで改善されると思われるので改善を待ちたいところだ。

買うべきスマートスピーカーは
最も使いたい機能で絞り込もう

 ここまで、いままでに日本で発売された主なスマートスピーカーの現時点における総論を展開した。どの製品にも一長一短の特徴が存在している点は理解していただけたかと思う。そこで、現時点でどのスマートスピーカーを選択するべきか。いくつかのユーザーによる使用環境を想定した上で考察していこう。

 まず、LINEを多用するユーザーにとっては、LINE自身が提供するClova WAVEが候補として挙がるだろう。他社スマートスピーカーでは、現時点ではLINEは機能を提供していないので、LINEの機能をスピーカーで利用したいと言うニーズがあるのであれば、Clova WAVE一択と言ったところだ。

 しかしながら、これまでにも述べてきた通りスマートスピーカーそのものの機能として見ると改善すべき点が多数見かけられるため、LINEが開発し、Clovaを搭載する次の製品をあえて待つというのもひとつの懸命な判断だと言える。

 パートナー企業の多さにより加速度的にサービスが増えていくことを考えると、将来性を考えるユーザーにはAmazon Echoがオススメだ。その他、Amazon通販を多く利用していたり、Amazon MusicなどのAmazonのクラウドサービスを既に利用している人にも向いている。

 音声によるアシスタント機能のみの利用であれば、高額な「Amazon Echo」や「Amazon Echo Plus」ではなく、比較的低価格な「Amazon Echo Dot」が良いだろう。逆に、家電などをそろえてスマートホーム化を目指すユーザーであれば、スマートホームハブ機能を有する「Amazon Echo Plus」一択となる。

 そして、現時点で「最もまともに使える」スマートスピーカーとして評価できる「Google Homeシリーズ」は、上記2社で想定したような使い方はせず、検索などの機能の利用が中心であれば間違いなくベストバイに当たるだろう。

 長年の経験に基づいた検索技術は逸品級の高精度で、それをスピーカーだけで利用可能であることを考えるとこれ以上の選択肢はないだろう。検索だけではなく、為替レートの計算などの付加価値的な機能も有しているので、使える機能を探す楽しみもGoogle Homeシリーズは提供してくれる。

 ここまで述べてきた通り、スマートスピーカーと言う製品ジャンル自体が発展途上の状態にあり、はっきりと言って完璧な製品は現状存在しないと言うのが筆者の考えだ。

 しかしながら、各社製品をよく見てみると既にそれぞれの方向性が見えてきており、頻繁に利用するサービスなど、ユーザーの使い方に基いて最適なスマートスピーカーを選択するのが最も良い選択となるだろう。

 現状、普及にはまだまだ進化が足りない部分も多い状況であるので、今後の各社スピーカーの進化を含めて、更に普及が一般に進んでいくことに期待していきたい。

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