11月8日・9日、サイボウズはプライベートイベント「Cybozu Days 2017」を開催中だ。幕張メッセを運動場に見立てたユニークな会場では、50社を超えるパートナーがさまざまな展示を行なっていた。
kintoneをExcel化する「krew」とcybozu.comのVPN接続に注目
kintoneのパートナー展示でまず注目したいのは、kintone上でExcelライクな操作感を実現するグレープシティのkintoneプラグイン「KrewSheet(クルーシート)」だ。
kintoneはスプレッドシート型のユーザーインターフェイスを持っているものの、インラインでの入力・編集ができず、右側のボタンを押して編集モードにする必要がある。これに対して、KrewSheetでは、画面上のデータをインラインで入力・編集できるだけではなく、一括編集、項目のドラッグ&ドロップ、検索・置換、リストからの選択も可能。フィルタリングや関数による集計、並べ替えまで利用可能で、まさにExcelそのものの操作性を実現している。krewSheetの作成もドラッグ&ドロップで行なえるため、Excelに慣れたユーザーも違和感なくkintoneを利用できる。価格は年払いで25万円/ドメイン。
グレープシティはマイクロソフトの開発コンポーネントを長らく提供してきたが、Excelライクな操作性を実現するJavaScriptのエンジンを開発。これまでSalesforce.comに提供してきたが、今回kintoneでの提供も開始することになったという。今後もkrewシリーズとしてkintoneを便利にするプラグインを提供していくという。こちらはぜひ現地でデモを見ていただきたい。
もう1つの目玉は、NTTコミュニケーションズによるcybozu.comへのVPN接続の開始だ。同社はセキュアなマルチクラウド接続を提供する「Arcstar Universal One Multi-Cloud Connect」において、cybozu.comへの接続を発表。cybozu.comへの閉域接続は世界初となり、サイボウズ Officeやkintone、Garoon、メールワイズなどをインターネットを経由しないセキュアな通信で利用できる。
これまでMulti-Cloud ConnectではNTTコミュニケーションズのクラウドサービスである「Enterprise Cloud」のほか、AWS、Box、Microsoft Azure、Microsoft Dynamics 365、Office 365、Oracle Cloud、Salesforceなどの閉域接続を提供してきた。これまでは外資系クラウドとの接続がほとんどだったが、国産クラウドとの連携も進めたいということで、今回のcybozu.comとの接続につながったようだ。
おなじみkintone界隈のエコシステムもどんどん進化
おなじみkintone界隈のベンダー・CIerもさまざまな展示を行なっている。まずM-SOLUTIONSは、ジョイゾー、ソウルウェア、ラジカルブリッジの3社と提携し、kintoneプラグインパッケージ「プラグインエコシステム」を販売する。また、4社を創立メンバーとしてkintoneエコシステムの発展を目指す「kintoneぷらぐ委員会」を12月に設立する予定で、関連企業に参加を呼びかけるという。アールスリーインスティテュートはgusukuに続く柱として期待されるノンプラグラミングのカスタマイズツール「gajumaru」、コクヨは紙とkintoneとの連携ソリューションを披露している。
ときに競い合い、ときに協力し合いながらkintoneの可能性を拡げているエコシステムのパートナーたち。製品やサービスの詳細をまとめて聞くにはCybozu Daysは最適なイベントと言えるだろう。ぜひ幕張に足を運んでもらいたい。