格安SIMに限らず毎月のデータ通信の容量選びは難しい。特にこの11月は月初にネットテレビの「AbemaTV」で累計7000万人超という番組が72時間に渡って放送されたばかり。
長時間視聴した人もいたはずで、すでに“ギガ不足”に陥ってる人もいるだろう。そこで、格安SIMのデータ追加方法と、今後容量オーバーしそうなときの事前対策についてまとめてみた。
容量は追加できるが割高
自動追加のようなものはナシ
まず、どこの格安SIMにおいても基本的に共通するのは容量追加は可能であることと、プリペイドプランを除けば容量超過後は低速ながらもネット接続が完全に切れるということがないことだ。そのため、128kbpsや200kbpsという低速で我慢すれば通信を維持することは可能だ。
事業者によって名称は多少異なるが、一般的に「高速データ通信容量」といえば高速通信ができる状態の容量を示している。
そのため、この容量を超えてしまっても低速でなら使える。しかし、写真のアップロードなどでは送信エラーが起きてしまうなど制約は大きく、ネットがうまく機能していないと思う人もいるくらいだ。
容量を使い切ってしまえば、何もしなければ低速のまま月末まで我慢することになる。
そこで容量追加となるのだが、どの格安SIMでも料金が割高だ。元の回線が音声通話付き回線で容量3GBで1600円程度というものが多いなか、追加料金は事業者によりまちまちだが1GBあたり1000円程度するところが多い。
3GB追加するくらいならもうひとつデータ通信専用のSIMを用意したくなる。
追加料金についても単純に容量に正比例した料金となっているところもあれば、多めの容量追加では割安なところもある。さらに、追加容量の有効期限にも違いがある。追加した月内しか使えないところもあるが、多くは3ヵ月間有効だ。
少し違った容量追加方法を採用するのが「IIJmio」。一時的な容量追加はもちろん、そのまま容量を毎月追加するオプションも用意される。
毎月20GBを追加するプランが月額3100円と容量に対する料金のお得感は高いが、最低翌月末まで使わなければならないので、追加容量を20GBや30GBという大容量が必要という人でないと一時的な利用には向かない。
そして、3大キャリアにあるような自動で追加料金が加算されていくような危ういプランは格安SIMにはない。
容量が足りなくなったらその都度自分でチャージの手続きなどをしてはじめて容量が追加となる。面倒だが、請求金額が想定外になることはない。
容量追加は事業者によって料金や制度がまちまち
では、追加料金とそのシステムを主な格安SIMごとに見ていこう。ほとんどの場合はウェブサイトから会員ページに行き、そこで容量を追加する手続きをするようになっている。
ただしIIJmioなど例外もあるので注意したい(下記参照)。
なお、価格は特別な記載のない限り、格安SIMの広告表記などに合わせた消費税別価格で記載した。実際には8%が加算されるので注意してほしい。
クーポンカード購入方式のIIJmio
容量追加の「大容量オプション」はコンビニエンスストアなどで「IIJmioクーポンカード」を購入する必要がある。500MBで1500円(税込)、2GBで3000円(税込)で利用期限は3ヵ月。
それとは別に20GBまたは30GBの容量を追加するデータオプションも用意される。データオプションは申し込みするとデータオプション解除をするまで毎月容量が追加されるもので、申し込み後に即日有効となるため容量追加としても利用できる。
ただし、加入から翌月までの最低利用期間があることや、利用開始月は容量、料金とも日割り。月末に加入した場合、料金も安いが追加される容量が少なくなる。オプション料金は20GBが3100円、30GBが5000円。
追加内容がコースによって異なるOCN モバイル ONE
容量追加は540円で、内容は日次コースと月次コースで異なる。前者は申し込み当日しか使えないが、その日は容量無制限で使える。後者は3ヵ月有効の容量追加で0.5GBの追加となる。申し込みはウェブサイトから行なう。
追加容量をプレゼントしてもらうという技も……mineo
mineoの追加容量は100MBで150円となっており、1GBあたりは1500円と少し高く期限も翌月末までと短め。mineoの場合は容量を追加するよりもフリータンク(後述)からもらったり、誰かにデータギフト(後述)で容量をプレゼントしてもらうなどしたほうがいいかも。
追加容量が多いほど割安になる楽天モバイル
100MBで300円、500MBで550円、1GBで980円の3種類。追加容量は多いほど割安になっている。ウェブサイトで申し込み、有効期限は購入翌月から3ヵ月間。ただし、9月からスタートした「スーパーホーダイ」の利用者は容量超過時の速度が最大1Mbpsと速いため、追加容量を買わなくてもなんとかなりそうだ。
動画・音楽サービスをよく使う人向けのBIGLOBE
データ容量が足りないときはボリュームチャージとして100MBで300円で追加できる。なお、特定のサービスの通信がカウント対象外となる「エンタメフリー・オプション」(月額480円~980円)は申し込み直後から有効。対象サービスはYouTube、 Google Play Music、 Apple Music、 AbemaTV、 Spotify、 AWA、 radiko.jp、 Amazon Music、 U-NEXTとなる。
音声SIMは何回でも容量追加ができるイオンモバイル
追加容量は480円で1GB。当月のみ有効だが比較的安い。音声SIMカード・データSIMカード(タイプ1)は追加回数の上限はないが、データSIMカード(タイプ2)は最大6GB(6回)までとなる。
SNSをよく使う人にはうれしいLINEモバイル
容量追加は500円で0.5GB、1000円で1GB、3000円で3GBと金額と容量が正比例している。LINEモバイルは容量超過前に低速モードを選ぶことができないため、容量を温存することができない。そのかわりに月間3GB以上のプランはLINEを含む一部SNSの通信はカウントされないため、LINE、Twitter、Facebook、Instagramは容量超過後でも高速通信が維持される。
使える期間で料金が変わるDMM mobile
追加容量の有効期限によって料金が異なる。3ヵ月後の末日まで有効の追加容量は200円で100MB、600円で500MB、1100円で1000MB。その月だけで繰り越しなしの場合は480円で1000MBとなる。
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