スマホでは積極的に採用され、進化しているIGZO
残念なことに最近はPC用ディスプレーでIGZOパネルを採用している製品はあまり聞かない。
確かに、4年前は32インチで4K表示が可能なディスプレーといえば、相当な精細さだったと思う。しかし、現在は24インチ程度の4K液晶ディスプレーは結構あり、高精細という意味ではIGZOでなくても十分すぎる性能となっている。
一方で、シャープのスマートフォンではかなり積極的に採用されている。
たとえばソフトバンク「AQUOS R comppact」や、ドコモ、au、UQ Mobileから発売される「AQUOS sense」シリーズなど、これから出るシャープのほぼすべてのスマホがIGZO搭載だ。
実際のところ、IGZOはスマホとの相性はいい。たとえばAQUOS Rは5.3インチで1440×2560ドットの解像度となっており、精細さという意味では最高クラスである。
また、省電力やタッチパネルの感度の高さという意味でも、もともとスマホには有利である。そして近年はIGZOのスマホ向けの強化も行なわれた。
たとえば、2016年発売の「AQUOS ZETA SH-04H」では120Hz駆動を実現。スクロールなどがなめらかに表示できるようになった。
また、従来はガラスパネル、タッチパネル、液晶パネルの3層構造だったが、2016年冬モデルからは、液晶とタッチパネルを一体化した「IGZOフルインセル液晶」を採用。
タッチパネルモジュールが省かれたことでバックライトの光の透過率がアップし、消費電力の低減に寄与している。また、モジュールを減らすことで内部の外光反射が減り、屋外などの明るい場所でも画面が見やすくなる。
スマホ以外でも進化が進むIGZO
現在はスマホでの製品化が多いIGZOだが、近年は技術展示会などで小型8KディスプレーやVRゴーグルなどの開発展示も見られる。
また、ノートPCでは他社製品も含め、ちらほらとIGZOを採用している機種が見られ、必ずしもスマホだけに用途を絞ったわけではなさそう。
今後、シャープの強力な武器として活躍の場が広がるのではないだろうか。