シャープからIGZO技術により4K2K(3840×2160ドット)解像度の表示が可能な32V型液晶ディスプレー「PN-K321」が発表された。2013年2月15日発売予定で、予想実売価格は45万円前後。
パネルは亀山第2工場で生産し、組立は中国で行なう。生産台数は月産1500台。
IGZOはインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)で構成される技術で、薄膜トランジスタの小型化や配線の細線化により高解像度化が可能。加えて、画面の更新がない場合に電流を止めることで低消費電力も実現する。
IGZOはすでに「AQUOS PHONE ZETA」や「AQUOS PAD」などに採用され製品化されているが、32V型というサイズで4K2K解像度の製品は初登場となる。
バックライトをエッジライト式にすることで、本体は35mmという薄さを実現。インターフェースはDisplayPortを1系統、HDMIを2系統備え、それぞれケーブル1本で4K2K表示が可能だ。
同社ビジネスソリューション事業推進本部 ディスプレイ事業部長の原田宗憲氏は、これまで4K2Kディスプレーが普及しなかった理由について「(従来の4K2K表示システムは)高価なグラフィックス装置が必要で、ケーブルも2本ないしは4本で接続するため複雑。ディスプレー自体も大きい。そしてシステムとして数百万円の投資が必要だった」と説明。
しかし、その環境が大きく変化していることを指摘。比較的安価なPC用ビデオカードが4K2K出力に対応すること、DisplayPort(1.2)やHDMI(1.4a)といった規格により4K2Kの映像がケーブル1本で伝送できることを踏まえ「残るはディスプレーのみ」という認識でPN-K321の製品化を実現したという。