秋晴れの下、24日に愛知県名古屋市の久屋大通公園にて開催した「ニコニコ町会議 全国ツアー2017」。併催となる地元のお祭りである「久屋大通秋まつり」と合わせて会場で3万8000人、ネットの生放送で合計14万5800人と、非常に多くの来場者を集めた。その現地の熱気をギュギュっと凝縮してレポートしていこう。
河村市長の「町会議ってそもそも何?」にびっくり
niconicoといえば、10年目を迎えた動画コミュニティーサービスだ。毎年春、幕張メッセにて2日で15万人規模の参加者を集める「ニコニコ超会議」を実施しており、その超会議の一部を全国各地で再現するというのが町会議のコンセプトになる。要はファンが幕張まで来たくても来られないなら、自分たちから行ってしまおうという精神だ。
その町会議は、超会議と同様に6年目を迎えた。過去55ヵ所ほどを回ってきていて、同じ場所で続けての実施はないのだが、例外的に名古屋だけ久屋大通公園にて6年連続で開催している。
その理由の1つに、会場付近に店舗を構える東急ハンズの「ニコ厨」として知られる塩野さんをはじめ、地元のバックアップが手厚いということが挙げられる。しかも、オープニングには名古屋市長の河村たかし氏、エンディングには愛知県知事の大村秀章氏まで登壇して挨拶しているのだ。数字としても4万人近くのファンが楽しみにしているイベントに育っているので、これは開催せざるを得ないでしょう!
オープニングで最も会場を沸かせたのは、やはり河村市長だった。上機嫌で現れた河村市長は、「ニコニコ町会議ってそもそも何やってるんだっけ?」と爆弾発言。司会の百花 繚乱さんが「6年目ー!」とすかさず突っ込むその流れに、会場もネットも大笑いだった。
さらに恒例の河村市長による「燃えよドラゴンズ!」の替え歌では、「もーえよ、町会議~」となりそうなところを、「もーえよ、ニコニコ町会議 全国ツアー2017 名古屋~」とフル尺で歌い上げて、ネット視聴者を「絶対酔ってるwww」や「おもろいなぁwww」と驚かせていた。
さて名古屋のステージイベントで注目だったのは、「町コスプレクション」だろう。
名古屋といえば「世界コスプレサミット」の開催地として知られるだけあってか、会場にも非常に多くのコスプレイヤーとカメコ(アマチュアカメラマン)が集まっており、公園の芝生や池などの背景にしてそこかしこで撮影会が行なわれていた。コスプレイヤー同士で偶然の再会を喜ぶ光景も何度も見かけており、晴れ姿を披露できる恒例行事のひとつとして町会議が定着しているのだと実感した。
町コスプレクションは、そんな個別の撮影会とは別に、メインステージにて実施したショータイムだ。生放送のコメントと連動した「コスプレ見たいカウンター」を設けており、「見たい」というコメントが330に達すると、舞台の上に置かれたカーテンボックスが開いて、コスプレイヤーが花道を歩いてアピールできるという仕組みになる。
出演したコスプレイヤーたちは基本素人で、初めてで緊張してあまりポーズが取れなかったり、グループ4人全員が女装で度肝を抜いたり、2人で即興で考えた動きを見せたりと、思い思いに楽しんでいたのが印象的だった。そして花道の周囲は来場者がぐるりと取り囲んでおり、スマートフォンや一眼レフでシャッターを切ってその姿を収めていた。以下、そのミニ写真集をお届けしよう。
「ニコニコがすごく暖かい場所」
もうひとつ、名古屋の町会議といえば、招致ユーザーである「由兎」(ゆう)さんの涙も印象に残った。
町会議は事前に開催地を募集し、niconicoユーザーからの「うちの町に来て!」というラブコールを受けて初めて自治体との交渉に入る。名古屋でそんな招致ユーザーとなった由兎さんは、「今年12月に親の都合でフィリピンに移住することとなったので、日本生活の最後に町会議で思い出をつくりたい」というコメントを寄せていた。
エンディングでも登壇するやいなや、歓喜極まって目に涙を浮かべる。そんな由兎さんに、百花 繚乱さんが「大丈夫、思いっきり泣いていいよ」と呼びかけ、アシスタントMCのみるきぃぬさんが「この景色思いっきり見て。ゆうちゃんが集めたんだよ」と声をかけると、「ライトが眩しくて見れない」と返していた。
さらに挨拶を振られると、「前回の町会議では自分は不運続きだったけど、今回はそんなこともなくていろいろなブースを回れて嬉しくて、ニコニコがすごく暖かい場所だなと思って……」と、言葉を詰まらせていた。「がんばれー」という客席からの応援の中、「みなさん最後にやりたいことがあるんで付き合ってもらえませんか」とお願いして、「ニコニコ超会議」「最高ー!」とコール&レスポンスで大きく会場を沸かせていた。
実は2014年にも百花 繚乱さんが号泣していた名古屋だが、来年の町会議でもドラマがあるかも!?
そして、エンィングでは大村知事の登場だ。「私最後1時間ぐらいあそこで拝見しましたけど、すごく楽しかった。エンディング6年連続で出させていただいてますけど、6年連続でやってるのは名古屋だけ! ありがたいことでございます。私がエンディングで出て来た役割はただ一つ、来年の7年目も名古屋でやっていいよね?」と呼びかけて、運営陣にプレッシャーをかけていた。
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