販売管理のSalesforceとのシステム連携のシームレスさが決め手
山本 「請求管理ロボ」を導入したのは2016年初めごろで、すでに1年半ほど稼働しています。販売管理から請求、入金を待ってからの消し込みまで、コアに近い仕組みを活用しており、いまのところ請求管理ロボなしでは業務が成り立たない状態です。導入前は請求書を作成する他のサービスを活用して紙ベースのものを作成し、担当者が夕方付近になると封をして郵便局に駆け込むような感じだったのですが、こうした作業的な“揺れ”がなくなりました。弊社で利用している販売管理システムSalesforce.comは請求管理ロボとつなぎ込みの相性がよく、特定の人に依存する作業がなくなったのが大きいです。当時と比較しても成長で作業量が増えていますから、請求管理ロボの導入がなかったら必要人員が倍以上だったでしょう。現在は2名で運用しています。
もともとのシステム導入のきっかけは、法人クライアントの利用が増加したことに伴い、請求書での後払いが増え、債務管理が必要となったことです。当社での債務管理に係る要件を加味した結果、いくつかの候補の中から請求管理ロボを選びました。もともと同製品とは別にロボットペイメントさんとの付き合いがあったというのもあるのですが、販売管理システムと会計システムとの間をつなぐ仕組みを探していたところ、提案いただいた請求管理ロボに決めました。
- 自動化は実現できたのですか?
山本 販売管理システムのSalesforce.comとはAPI連携でシームレスにつながっています。もともと弊社が先行事例としてクローズドベータくらいの時代からカスタマイズのリクエストを行って、これを実際の製品に織り込んでいただいたこともあり、かなり助かってます。請求管理ロボ自体もクラウドサービスで日々改良が続いていますので、どんどん使いやすくなっていると思いますし、これからさらに要件の棚卸しをして、ロボットペイメントさんと連携していければさらにオペレーションが効率化されるし、改善されていくのかなと。
- 導入後、嬉しい誤算みたいなのものはありましたか?
山本 請求業務にあたって属人化しないという最初の目的は達成できたのですが、副次的な効果としてはデータベースの共通化が挙げられます。請求済みのデータが請求管理ロボに蓄積され、担当者であれば誰でも閲覧できます。事業側と管理側で共通のデータベースになりますので、ミスは減りましたし、いつでも必要なデータを参照できますから、“モノを探す”というストレスが減りました。
拡大する事業を支えるプラットフォーム
- さらに事業拡大を行なってらっしゃるランサーズですが、グループ会社である「QUANT」についてもお伺いできますか?
山本 「Lancers」というマッチングのプラットフォームを軸に成長してきたランサーズですが、Lancersでコンテンツ制作を受託するなかで、利用者のニーズに合わせた制作ノウハウを蓄積した結果として、コンテンツマーケティングのノウハウを活かした事業を単独でプロフェッショナルサービスとして提供するのが「QUANT」になります。
QUANTはランサーズのグループ会社ですが、コンテンツマーケティング支援のみならず、デジタルマーケティング支援全般をサービスとして提供しています。
おかげさまで、ランサーズのクラウドソーシング事業は利用企業数が23万社、累計依頼件数は168万件、自治体との提携や利用数は17団体、仕事のカテゴリは140以上と、広く活用していただいています。
ランサーズでやりとりされるのはリモートワークなどオンライン上でのスキル活用ですが、新しいサービスとして「pook(プック)」が始まり、これはオフラインで直接ワーカーマッチングを行うサービスです。例えば料理の依頼やヨガの個人レッスンなど、より個人的な内容でスキルを活用してもらうことを考えています。スマートフォンで依頼を見て、直接対面まで進みます。これまでの仕事依頼は割と専門性の高いものが中心だったのですが、pookでは家事代行から家庭教師など、よりプライベートで幅広いものになっています。
現在のランサーズは、Lancersというマッチングプラットフォームを中心に、クラウドソーシング事業、QUANTのデジタルマーケティング事業、そしてpookのシェアリングエコノミー事業の3つの事業を展開している形です。
オープンタレント制度で社員の副業も支援
冒頭で「働き方改革」の話題に触れたが、その旗振り役の1社としてランサーズ自身も非常に興味深い取り組みを進めている。そのひとつが2017年7月にスタートした「オープンタレント推進室」だ。第1弾として始めたのが副業を推進する「タレント社員制度」。副業を禁止している企業は多いが、このオープンタレント制度を利用して入社した2名のメンバーは、自身が会社の経営者でありつつランサーズの社員としても活躍する二足のわらじ状態。例えば、このうちの1名である西村創一朗氏は政府や中小企業庁とともに複業解禁を推進する仕事も行いながら、ランサーズで週2日体制でのタレント社員として活躍している。
業界ではサイボウズなどが複業採用をうたって話題になったが、働き方改革を実現するうえで「副業」というバリアを崩すため、ランサーズ自らがその取り組みを実践しているというわけだ。
また時間と場所を選ばないという意味でのテレワークも実践している。ランサーズではプラットフォーム事業を展開しているという性質上、カスタマーサポートを24時間対応を行っている。
ランサーをはじめ、クライアントやテレワークスタッフなどを多くの人々に支えられてランサーズの事業は成立しているわけで、この根幹の一部を担っているのが「請求管理ロボ」となる。興味深いのは、クラウドソーシングで急成長した会社の業務を支えたロボットペイメントが、そのフィードバックによって機能改良を続け、さらに多くの企業の働き方改革を支えていくという循環構造にある。これもクラウド上で展開されるSaaS(Software as a Service)特有のもので、新しい時代のビジネス形態を象徴するもののように思える。両社ともに今後の発展に期待したい。
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