ドスパラの「モバイルモニター DG-NP09D」(以下、DG-NP09D)は、その名のとおり持ち運べるディスプレーで、価格も1万4580円とお手頃。バッテリーを内蔵し、約4.5時間の駆動が可能となっている。ディスプレーサイズは8.9型で、少し大きめなタブレットといった感じだ。
解像度は横が1920ドット、縦が1200ドットで、一般的なフルHDよりも縦に長い。バッテリー駆動ができるため、AC電源が確保できない場合でもデュアルデュスプレーが利用可能なのはうれしい。充電はmicroUSB端子を利用し、スマーとフォン用の充電器や外部バッテリーを使えるのも便利だ。
重さは約490gで、大きさのわりにはちょっと重いかなと思ったが、バッテリー駆動という点を考えれば軽いほうだろう。モバイルノートパソコンと一緒に持ち歩いても、それほど苦になる重さではない。
今回は利用している13.3型モバイルノートパソコンにつなげて使ってみた。13.3型モバイルノートの表示解像度は1920×1080ピクセル。拡大率は100%で使用しており、文字はかなり小さい。ゲームをしたり原稿を書くときの利用が多く、テキストエディターのフォントサイズを14ptにしているが、最近はもっと大きくしようかと思っていたところだ。
そこで便利なのが、Windowsのディスプレー設定。拡張表示モードにしておけば、ディスプレーごとに拡大率を設定可能なので、片方だけを調整できる。
隣に置いてあるのは13型のモバイルノート。表示は大きさの比較がわかりやすいようにミラーリングモードにしているため、DG-NP09Dの上下に黒帯が出ている、タスクバーの大きさで雰囲気がわかるだろうか。
ディスプレーの拡大と縮小の設定で、表示する大きさの倍率を好みで設定できる。試しに倍率を変えて同じページを表示してみた。
150%まで拡大すると、13.3型のフルHD表示とほぼ同じ大きさになった。拡大すればするほど利用可能な領域が狭くなっていくので、せっかくの1920x1200ドットがもったいないと感じる人は、100%で利用するといいだろう。しかし、最近小さい文字が見えづらくなってきている身としては、150%拡大がちょうどいいと感じた。
モードは拡張モードで表示しており、DG-NP09Dの上下をすべて使って表示できる。フルHDよりも縦が広い分、ウェブページは見やすくなる。
モバイル環境でどこまでの作業効率を求めるかによるが、AC接続なしのデュアルディスプレーはかなり使いやすい。DG-NP09Dがあれば、デュアルディスプレー派の人も安心してモバイル環境をつくれるだろう。
またセカンドディスプレーといってもパソコンに接続するだけが用途ではない。個人的に一番使いたいのは、デジカメからの出力だ。最近のデジカメは、HDMIの出力端子があるモデルが多く、外部ディスプレーへの出力が可能になっている。静止画を撮る場合にはそれほど必要ないが、動画を撮るときに撮影中でもほかの人が確認できるよう、カメラの外にディスプレーがほしい場面がある。
DG-NP09Dの映像入力はHDMI端子を利用する。本体側はminiHDMI端子で、HDMIからminiHDMIへの変換ケーブルも付属している。今回試しに繋いだデジカメもminiHDMI端子だったため、両端がminiHDMI端子になっているケーブルを探したが見つからず、HDMI→miniHDMI変換ケーブルを1本購入し、さっそく繋いでみた。
接続は問題なく、デジカメの電源を入れるとDG-NP09Dにしっかり出力された。ここで残念だったのが、デジカメ側の背面ディスプレーが消えてしまうこと。デジカメの背面ディスプレーはタッチ機能を備えているが、タッチ機能も利用できなくなってしまう。これはディスプレーの問題ではなくカメラ側の問題で、デジカメの機種によっては問題はない場合もある。
試しに動画撮影機能が強化されているパナソニックの「LUMIX GH5」に接続したところ、背面ディスプレーも表示されたままDG-NP09Dにも出力され、本体のタッチ機能も利用可能だった。LUMIX GH5側のHDMI端子は標準のサイズなので、HDMIケーブルがあれば付属の変換ケーブルを使用して繋げる。さすが動画に強いデジカメだ。
DG-NP09Dは、モバイルノートパソコンのお供に使えて、デジカメ撮影の確認用にも利用できるので、多くのシーンで活躍してくれそうだ。モバイルパソコンの作業効率もデジカメの撮影効率も上がる、思った以上に便利なディスプレーだった。