ドヴォルザーク:交響曲全集、他
ロンドン交響楽団、イシュトヴァン・ケルテス
1963年から1970年に掛けてのレコーディング録音だが、最新盤ではないかと錯覚するほどの鮮明さ、尖鋭さ。イシュトヴァン・ケルテスのドボルザークは、1961年のウィーンフィル版「新世界」が決定的定番演奏として有名だが、その後のロンドン交響楽団との全集も素晴らしい。、交響曲第8番第三楽章のト短調のむせび泣き旋律が情緒てんめんと奏され、第9番第3楽章の生命力溢れる進行感……など、若さと躍動感、そして歌心が横溢する。9曲の交響曲に加え、レクイエム、セレナード、スケルッオ・カプチリオーソ、交響的変奏曲、序曲、交響詩が11曲も収録されている、のもお買い得(?)。 デッカらしい華麗で情報量の多いサウンド。腰がしっかりとした安定した土台の上にカラフルなオーケストラの音色が載る。伸びも気持ち良い。ロンドンのキングズウェイ・ホールでセッション録音。
FLAC:96kHz/24bit
Decca
スカラ座の序曲・前奏曲・間奏曲集
スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、リッカルド・シャイー
ミラノ・スカラ座音楽監督就任を記念して、過去にスカラ座で演奏されたオペラ作品の序曲・前奏曲・間奏曲を集めた新録音だ。あまり有名でない曲を集めたのが、いかにも職人指揮者っぽい。どこまでも明るく、イタリア的な情感がたっぷり聴ける。シャイーはロイヤル・コンセルトヘボウやライプチヒ・ゲバントハウスを明晰でクリヤー、そして高輝度な音色に変えたが、もともとカラフルな本場スカラ座オーケストラは、一点の曇りもないイタリア的青空の音色だ。歌心も豊潤だ。序曲、前奏曲、間奏曲にはこれから始まる幕開けを待ち望ませる機能があるが、オペラの本体は収録されていなくても、それを聴きたいと思わせる演出はさすがだ。ハイレゾは細部までの見渡しがひじょうにクリヤーで、しっとりとした潤い感と緻密な階調感があり、音色が多彩。
FLAC:96kHz/24bit
Decca
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