数多あるVRヘッドセットのなかで、どんな製品がオススメなのかを探る本記事。今回は、4.5から5.5インチまでのスマートフォン(以下スマホ)に対応した、エレコムの「VRグラス 組み立てタイプ(P-VRG01シリーズ)」を取り扱う。本製品は、全国の量販店で発売されており、価格は1800円。
本製品は組み立て式の簡易VRゴーグルで、レザーライクな質感がオシャレ。組み立ても簡単で、分解した際の持ち運びやすさも特徴。ボタンやダイヤル類は一切ない簡易的な構造ゆえに、焦点距離や瞳孔間距離の調整はできない。だが、ピンボケせずに鮮明な映像でVR体験ができる製品だ。
スマホ装着は簡単、軽量で疲れにくい
スマホの装着機構は非常に簡易的で、前方に付いている蓋でスマホを挟み、上部のスナップボタンで蓋を固定する構造だ。iPhone 6s、iPhone 6s Plus、Xperia Z5を固定してみたところ、いずれも問題なく固定することができた。スナップボタンは下記の画像のように二段階になっており、スマホの大きさに合わせて位置を変えることができる。
また、本体重量が125gと軽量であり、スポンジなどが付いていないにも関わらず装着感は悪くない。付属のヘッドバンドは長さ調節も可能だ。
実際にiPhone 6s Plusを使用してシューティングゲーム「Vanguard V」をプレイしてみたところ、視点操作で、それなりに激しく頭を動かしてプレイしてもズレることもなく、快適に体験することができた。また、連続で使用しても顔が痛くなる事などはなかった。ただし、鼻が入る部分のスリットが小さめなので、鼻の高い人はつっかえてしまうかもしれない。
分解時の携行性やカラーバリエーションも魅力
本機は同じような形状・手軽さのダンボールVRゴーグルと比較すると、皮脂や汗による汚れが目立たない点で優れている。また、ブラック・ブルー・カーボンブラック・カーボンホワイトと、4つのカラーから選べることも魅力だ。ちなみに、今回レビューに使用しているのはブルーの製品となっている。
また、本機は分解して畳むとかなりの薄さになる。分解して畳んだ本体は厚さ約1cm、レンズパーツは5mm程度だ。カバンの隙間に入るような薄さなので、外に持ち出す際にもスペースを取らずに済む。
冒頭にも述べた通り、瞳孔間距離や焦点距離を調整できないながらも、かなり鮮明な体験を得ることができるのは素晴らしい。視野角不足は否めないが、そこは圧倒的な手軽さと引き換えといったところだ。
外に持ち出す人にはおすすめだが、機能の少なさゆえに自宅でしか使わないユーザーには割高なものになってしまうだろう。また、タップ操作ができないため、タップが必須のゲームコンテンツの体験には使用できない。出先での動画視聴には適しているゴーグルなので、そういった用途のユーザーはぜひ手にとってみて欲しい。
なお、以前にレビューで紹介した同じくエレコム製の「P-VRG05」は、ペーパータイプ・折りたたみ可能・画面タップボタン搭載のゴーグルとなっている。こちらと比較して購入を考えても良いかもしれない。