監視カメラを最大活用できるNECとキヤノンMJの「ビデオマネジメントシステム導入セット」
映像管理と顔認証で、もう監視カメラの映像を無駄にしない
2017年08月31日 10時00分更新
セキュリティ用途で監視カメラの需要は近年ますます高まっている。IPカメラの低価格化が進み、今後は中小規模の店舗やオフィスでも導入が進むとみられている。しかし、こうした監視カメラが十分活用されているとは言いがたい。映像管理システムの導入と運用の問題点について探っていこう。
成長する監視カメラの市場 でも撮影された映像は死蔵?
街頭や店舗の監視カメラが日常的な存在として根付いて久しい。空港、ショッピングモール、重要インフラ施設などのほか、一般企業でも社員の入退出やPCセキュリティ、工場のライン監視などでカメラが導入されるようになっている。用途としてはやはり防犯やセキュリティが多いが、最近では撮影した映像を解析し、顧客対応やマーケティング分析に活かすといった使い方も増えており、いわゆる「IoT時代の目」として重要度が増している。
実際、監視カメラの市場は年10%程度という高成長の市場と言われている。従来型のアナログカメラからデジタルカメラへの移行が進んでおり、製品の多くはネットワークにも対応している。また、監視カメラ市場の成長と連動し、撮影した映像を記録するための録画装置の需要も高まっている。アナログのビデオテープで動画を保存した頃は、ビデオデッキで早送りしながら映像を確認するしかなかったが、カメラがデジタル化・ネットワーク化されたことで、映像データをさまざまな形で活用できるようになったわけだ。
とはいえ、映像の活用はまだまだ進んでいない。アナログカメラの使い方と同じで、監視カメラの映像は撮りっぱなしのまま、死蔵されているのが実態と言えよう。ここには映像を活用するための「映像管理システム」が高価で複雑だったという背景がある。
複雑、高価、投資対効果の見えにくい映像管理システムの課題
コストをかけられない中小企業が“業務できちんと使える”映像管理システムを導入するのは容易ではない。監視カメラだけではなく、カメラを接続するためのPoE(Power over Ethernet)対応スイッチや無線LANアクセスポイント、映像を映し出すディスプレイ、録画したデータを管理するサーバーや映像管理のソフトウェアなどが必要になる。これらマルチベンダーの製品を適切に組み合わせ、映像を管理する環境を構築するのは、コストもノウハウも必要になる。
苦労して監視カメラのシステムを導入しても、果たして投資対効果に合うかという課題もある。多くの企業は防犯用途で監視カメラを導入するが、基本的には不審者の侵入や盗難などのトラブルが起きなければ、監視カメラの映像は活用されることがない。防犯だけに特化した監視カメラはいわば万が一の「保険的なシステム」と言える。もちろん、トラブルがないに越したことはないが、ただひたすら映像を記録し、容量が足りなくなったら、データ破棄するという従来型の活用方法では投資効果や利用価値を見いだしにくいというユーザーも多いはずだ。
グローバルNo.1※1の映像管理ソフトウェアがNECのサーバーにインストール
「セキュリティの面からも監視カメラのシステムを導入したいが、敷居は高い。投資対効果が見えにくい……」。こうした懸念を持つユーザーに最適な製品がNECの「ビデオマネジメントシステム導入セット」になる。ビデオマネジメントシステム導入セットは、サーバーやOS、データベース、映像管理ソフトウェアまでを基本セットとして用意し、監視カメラやスイッチ、ディスプレイ、そしてNECが強みを持つ顔認証のソフトウェアまでオプションで提供するソリューション型の商品になる。導入支援やハードウェア/ソフトウェアの保守サービスまで用意されており、ワンストップで映像管理システムを導入できるのが大きな特徴だ。さっそく製品の詳細について見てみよう。
まずビデオマネジメントシステム導入セットで用意されるサーバーは、NECのタワー型サーバー「Express5800/T110h-S」。ハードディスクを冗長化するRAIDに対応し、冗長化電源をサポートしているため、障害にも強い。防塵フィルターも取り付けでき、5℃~48℃※2まで対応するため、劣悪な設置環境でも安定した動作が可能になる。ディスク容量ごとに1TB、4TBのモデルが用意され、後述する録画、顔認証、属性推定などの機能と組み合わせることができる。
また、映像管理ソフトウェア(VMS)は、NECとキヤノンMJとのタッグにより、グローバルシェアNo.1※1を誇るMilestone社の「XProtect Express」をプレインストールしている。XProtect Expressでは複数の監視カメラで撮影した映像をサーバーに録画し、リアルタイムに確認したり、容易に再生することができる。150社、6000機種以上の監視カメラをサポートしており、最大48台までの利用が可能。最大16画面までの分割表示が可能で、レイアウトも自由に選べるため、重点ポイントを大きく表示したり、多数の映像を一元的に表示できる。
※1:オープンプラットフォームIPビデオマネジメントソフトウェア分野において9年連続でトップシェア。【出典】IMSリサーチ社(IHS)「World Market for CCTV and Video Surveillance Equipment(2016)」
※2:40℃を超える環境で運用するには「高温ファンキット」(オプション)が必要です。
ビデオマネジメントシステム導入セットの鍵とも言えるXProtect Expressによって、特に複数のカメラを用いるケースでは、映像の管理が飛躍的に効率化する。たとえば、録画データから自動的にサムネイルを生成し、該当の箇所をスピーディに検出したり、設置されたカメラをフロアマップ上に表示させ、映像を切り替えられる。また、映像内での動きを自動検知して、録画を開始する「モーション検知&通知機能」を搭載するほか、スマートフォンを監視カメラや監視用の端末として利用できる。こうした機能を活用することで、撮影した動画を有効活用できるわけだ。