フルサイズ一眼とAPS-C一眼はそんなに違うのか!? 第2回
フルサイズ一眼「EOS 6D MarkII」とAPS-C一眼「EOS 80D」、高感度と階調はどれだけ違う!?
2017年08月09日 12時00分更新
前回、キヤノンのフルサイズ一眼レフ「EOS 6D MarkII」とAPS-C一眼レフ「EOS 80D」についての概要を紹介した。ともにハイアマチュア向けのデジタル一眼レフであるが、両社はどれくらい違うのか、今回から画質の違いについて見ていく。
取り込む光の量で生じる
フルサイズ機とAPS-C機の画質の違い
フルサイズ機とAPS-Cサイズ機では撮像素子の面積が大きく違う。フルサイズ機に対してAPS-Cサイズ機では約1/2の面積しかない。
一方で、EOS 6D MarkIIは有効画素数が約2620万画素で、EOS 80Dは約2420万画素と近い画素数になっている。
有効画素数がほぼ同じならば画素1つあたりの面積はAPS-Cサイズ機よりもフルサイズ機のほうが約2倍ほど大きく、画質への貢献が期待できる。
また、フルサイズ機の特徴として高感度での撮影に強いというのも、この画素1つあたりの面積が大きいことが理由だ。
1つの画素で受けることのできる光の量が増えればそれだけ情報量が増えるし、十分な光量を得にくいシチュエーションでも、APS-C機より多くの光を取り込むことができる。
EOS 6D MarkIIの感度別撮影サンプル
EOS 80Dの感度別撮影サンプル
両者は設定可能なISO感度からして大きく違いが出ている。
EOS 6D MarkIIはISO 50、ISO 51200、ISO 102400の設定が可能だ。最低感度のISO 50は明るいシーンでの救済用といった感じで、ハイライト側の階調はISO 100のほうが広い。
ノイズが見えてくるのはISO 3200あたりからだが、ISO 400のあたりですでにノイズリダクションの影響か、ディテールへの影響が出はじめている。
ノイズが目立ってくるのはISO 6400以降でISO 12800あたりからはディテールへの影響も大きくなってしまう。ISO 2500以降はかなりノイジーだが、ISO 51200までなら実用性はあるだろう。
EOS 80DのほうはISO 800あたりからノイズが出はじめてくる。ディテールへの影響も同じくらいからはじまっているが、再現性は結構いいほうだ。
ISO 6400以降はノイズも目立ってくる。最高感度のISO 25600ではディテールの再現性にも影響がでているがISO 12800あたりまでは実用性は十分だ。
感度ごとに見比べると、ISO 1600くらいまでは大きな差はないがそれ以降は差が開いていく。
フルサイズ機であるEOS 6D MarkIIのISO 25600の描写は、APS-C機のEOS 80DにおけるISO 6400に近い感じだ。
高感度側で2段分のアドバンテージがあるといえる。発売時期にして約1年の差はあるものの、フルサイズ機とAPS-C機ではこれだけ高感度での画質の差が見られる。
感度を上げて撮る機会が多い人ならフルサイズ機の利用を勧めたい。
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