GfKジャパンは8月1日、2017年上半期のハイレゾ音源ダウンロードの市場概況を発表した。これによるとダウンロード数は前年比で62%増、金額ベースでは同31%増となり、トラックのダウンロード数は前年の約2倍に拡大したという。
e-onkyo music、mora、mysound、レコチョクの各ハイレゾ音源配信サイトにおけるダウンロード実績集計に基づく「ハイレゾ音源ダウンロード市場レポート」の報告をまとめたもの。これによると、ハイレゾ音源のダウンロード配信は市場が引き続き拡大し、フォーマット別ではアルバムが数量前年比18%増、トラックが同95%増と、いずれもプラス成長となった。特にトラックの伸び率が大きく、構成比ではトラックが数量ベースで68%、金額ベースでは29%を占める。
同社ではトラックが急成長した要因として、配信サービスの新規参入や、J-POP・アニメソングをはじめとする楽曲ラインナップの拡充を指摘。ハイレゾ音源の消費が従来のオーディオファンから女性や若い世代などまでユーザー層が広がっているとしている。今後の市場動向について同社はけん引役としてのトラックの成長維持と同時に、こうしたユーザーをアルバム買いへ誘導することで、金額ベースの拡大が期待できるとの見通しを示した。
また、ハード面でもユーザー層の拡大を後押しする動きがみられるという。ハイレゾ対応ヘッドフォンは販売伸長が続いているほか、1万円未満の製品が相次いで発売され、税抜き平均価格が1年で16%低下したとの集計結果を発表。新規ユーザーをより取り入れやすい状況になっているとしている。
同社は、ハイレゾが海外でも注目を集めている点を指摘。先進性の高い日本市場の動向は「ベンチマークの一つになると考えられる」とした。
■ 「ハイレゾ音源ダウンロード市場レポート」概要
提供頻度: 月次
集計対象音楽配信サイト(2017年6月末時点): e-onkyo music、mora、mysound、レコチョク
調査内容: ハイレゾ音源ダウンロード数・金額(全体・トラック/アルバム“まとめ買い”別)
一般社団法人日本レコード協会協力の元、GfKが集計、提供。