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1500万円のオーディオシステムでアニソンを聴いたら違いがわかった!

2017年07月09日 10時00分更新

文● 藤山哲人 編集●スピーディー末岡/ASCII編集部

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声優さんが歌ってるOP/EDは
Mark Levinson+JBLで聴くべき!

 迎えてくださったのはハーマンインターナショナルの石原 嘉範さん。ジャケットは着ているものの、そのメガネや風貌から、我々アニメファンと同じ匂いがした。

「ね! 石原さん! 本当はアニメファンなんでしょ?」という筆者の問いを完全スルーのハーマンインターナショナル マーケティング部の石原嘉範さん

 仕事柄クラッシックもジャズも、アニソンも聴けば、BABYMETALも聞くと言う雑食のフレンズ。石原さんは、とっても耳がいいフレンズな上に、自社製品のことなら何でも知ってる優しいお兄さんなのだ!

 何はともあれ、さっそく高級オーディオの音というものを聴いてみたく、用意したCDをかけてもらうことにした。

筆者のリスニングスタイル。CDの選曲もいいセンスしている筆者。ほかにも「いなりこんこん」とか「ユーフォニアム」とか歴代「プリキュア」とかをよく聴く

 今となれば「アリスと蔵六」OPや「エロマンガ先生」EDを試聴するところだが、ちょっと時空のゆがみがあって、取材当時は未発売。そこで用意したのは「けものフレンズ」の「ようこそジャパリパークへ」。そして筆者の大好きな声優さんユニット、大空直美さん&大西沙織さん&JK声優の富田美憂さん、そして花澤香菜さんが歌う「ガヴリールドロップアウト」の「ハレルヤ☆エッサイム」だ。

 「おいおい! どっちも打ち込みでボーカル編集しまくってるだろ!」なご意見サンキュ! でも俺らが普段聞いてるのは、こーゆーヤツかボカロじゃないか。カラヤンよりもマダムヤンな人も多いだろう。なので、共感していただけそうな選曲で挑んだのだ!

※編集部注 選曲に関する言い訳が長々と書かれていましたが、話が進まないのでほぼカットいたしました。

 まず「けものフレンズ」のOPのド頭からビックリ。オシッコちびりそうになる。あの「パパーパ! パッパー!」のラッパの音からして違う。アニメではサバンナの画だったが、オレの目に映ったのはスイスの高原でヤギを追いかける少年と、病弱な少女、そしておせっかい焼きの赤い女の子なのだ! ラッパのリリース音は、遠くの山々に吸い込まれるような伸びがある。普段聞いてるAQUOS SH-02Gの128kbps MP3 with コンビニのイヤホンとはまったく違う!

 まったく違って聞こえるのは「ぷっぷく! パっぷく! ぷっぷく! パっぷく!」というゴン太君(NHK教育の「できるかな?」にノッポさんと共演していた謎生物)の声。イヤホンや車で聞いてると、ボーカルに負けないぐらい前に出てるのだが、1500万円の機材が奏でると奥に隠れる。その代わりギターが前に出てくるのが印象的だった。なによりフレンズとPPPのみんなが、スゲー楽しそうに歌っている様子が目に浮かぶ。その息遣いのブレスまで聞こえてくるのだ。しかもサーバルちゃんの「私はサーバルキャットの……」台詞がいい! 激萌えっ!

テレビでは「さばんなちほー」の画だが、Mark Levinson+JBLは「すいすちほー」をオレの目に映してくれた。しかもイヤなロッテンマイヤーさんはそこにおらず、病弱少女も高原を走り回っているのだ!

 取材に同行したスピーディー末岡に「藤山さん、きんもーっ☆」と引ひかれたほどだ。おそらくこの1500万円で「洲崎西」「佐倉としたい大西」「あどりぶ」などの声優ラジオを聴くと、息遣いまで聞こえて眠れなくなるだろう。

 続いて聴いたのは「ガヴリールドロップアウト」のED。知らん人はググって、知ってる人だけついてきてほしい。ヒャダイン氏のOPもイイんだけど、オススメはED! この曲は、悪魔チーム(大空、大西)と天使チーム(富田、花澤)に分かれて歌う上に、歌詞がそれぞれ違う部分があるわ、合いの手が入るわで、誰がどう歌っているのかを聞き分けるのは、なかなか難しい。が! このオーディオルームで聞くと、はっきり聞き取れるのだ! マジスゲー、Mark Levinson+JBL!

 さらにフツーのオーディオで聴くと、大空さんの合いの手ばっかり聞こえる(笑)。でもスマホじゃほとんど聞こえない、大西さんや花澤さんの合いの手まで聞こえて、鼻血出そうになった。

ノリノリの筆者。確かに「きんもーっ☆」

 打ち込み&16ビット 44KHzのアニソンCDで、ここまで聞こえ方が変わってくるハーマンのオーディオ。恐ろしい子っ!

ほのかがっ! ことりちゃんがっ! にこ先輩がっ!
オレの前で踊りながら歌ってる!

 我々が持ち込んだのは「ガチのアニソンCD」のみだったが、どうやら我々がアニメ大好きっ子であることが先方に伝わっており、フレンズ石原さんがスペシャルな音源を用意してくれていた。しかもかなりマニアック! オレは石原さん、絶対アニメファンで、事務所のあるアキバのアニメイトとか虎に通ってるに違いねーと思っている。フツーに「あー、秋月電子側のダイナミックオーディオっしょ」とか話し通じるし。

ハイレゾオーディオは、ダウンロード販売が中心。たまにCDをアップコンバートしただけの場合もあるので、購入時は要注意

 まず聞かせてもらったのは「ラブライブ!」でおなじみ「μ's」の「Snow halation」(ちょっと古いけど)。しかもハイレゾ版だ! ラブライブ! の楽曲は、製作サイドの尋常じゃない力の入れ方が有名。

 ハイレゾ版スノハレは、もう1小節目から超鳥肌モン! ほのかが! ことりちゃんが! 凛にゃんが! にこ先輩が、そこで歌ってるぅ~と絶叫萌え! しかもな! しかもだぞ! 両サイドの3人が回りながら歌うド頭の「不思議だね今の気持ち♪」のところ、センターの3人は止まってるんだけど、左右の3人はそれぞれ回ってるのがわかるんだよ! スゲーよ、ハイレゾ! スゲーよ、ハーマン!

 さらにサビ前の「はじめて出会ったとき♪」の部分、あそこはセンター3人が後ろ向いて歌ってるのが分かるんだよ!

 Xperiaとかハイレゾ対応端末を持っている人は、絶対ハイレゾ版スノハレをダウンロードしてみ! つーかしろ!

 フレンズ石原さんの解説によれは、アニソン製作における楽曲へのお金のかけ方は尋常じゃなく、その道の名だたる演奏者が入っていて「なんじゃそりゃ~!」なんだそうだ。最近は一流ミュージシャンでも、打ち込みが多いのに、生演奏入れててアニソンはスゲェ! と。スノハレも例外ではなく、普通じゃありえない60トラック(各パートごとに別チャンネルで録音して、最終的にステレオにミックスダウンする)ぐらい使っていて、それぞれのキャラの向きや身長まで入れたエンジニアリング(卓でミキシングする作業)をしているという。

「マクロス・フロンティア」の「ダイヤモンド・クレバス

 「身長が一番わかりやすいのはコレですね」と聞かせてくれたのが、シェリル・ノームの「ダイヤモンド・クレバス」の冒頭だ。釈迦に説法になりかねないが、ご存知マクロス・フロンティアの挿入歌で、中の人はMay'nさん。「これアメリカでエンジニアリングしたり、録音もスゴイんですけど、シェリルの身長までわかるほど凝ってるんですよ!」と饒舌だ。

 で、1500万円のシステムで再生してみると……、シェリルの歌唱力に愕然! でもシェリルの身長は……、石原さんっすまん! よくワカンネェ!

フレンズ石原さん! 今夜ここでマクロス・フロンティア一挙放送して語り合おう! 全部見たことないっていう「ラブライブ!」でもいいよ!

 とにかく、蚊の飛ぶ音が聞こえないジジイの俺でも、超高級オーディオは、表現力が違うってのがわかる。それは2Kと8Kのテレビの違いのように(40型くらいだと2Kも8Kも見分けつかない)言葉では言い尽くせないけど、魂に伝わる何かが違うということだ。

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