いま、大学のテスト(試験)が変わりつつあるようだ。「テストはひとりで解くものだった」という常識を覆すかのような動画が公開されている。
動画の舞台となったのは、広島国際大学。医療系の大学である。そんな広島国際大学のとある試験の様子を描写したコンセプトムービーだ。しかし、そこに映っているのは、耳打ちをしたり、スマホのカメラ(フラッシュ)でモールス信号を送ったり、紙飛行機を飛ばしたりと……カンニングが横行しているかのような内容だ。
広島国際大学では「IPE」というものを教育に取り入れている。IPEとは、専門分野を横断した医療教育の考え方のことだそうだ。かつての医療現場では、医師にすべての決定権があり、医師と患者の関係性においても医師のトップダウンで意思決定がされていたそうだ。「白い巨塔」のようなイメージはたしかにある。しかし、現在は患者が意思決定の中心となり、医者から看護師までがすべてフラットな立場になるというものらしい。これにより、患者に対して最適な医療プランを提案できるようになったそうだ。
要するに、「ひとり」で対応するのではなく、「チーム」で解決する人材を育てることがIPEの狙いのひとつであり、まさにそういった人材が求められているという。そして、それを取り入れた広島国際大学では、救急救命や診療放射線、臨床工学、更に医療経営や心理学系まで含めたメンバーでチームを編成し、教育プログラムを実施しているそうだ。つまり、この動画で映っているテストも、チームとして解くというのを求められているのだろう。
動画の本質を知ってから再度見ると内容がまったく違って見えることはたしかだ。ただ、最後に急に踊りだすのをインド映画っぽく感じたのは筆者だけではないはず。