大谷イビサのクラウドコミュニティな日々 第14回
クラウドコミュニティに突っ込んだ記者の悲喜こもごも
JAWS-UG on ASCIIが1年で実現できたこと、実現できなかったこと
2017年06月26日 10時00分更新
AWSのユーザーグループ「JAWS-UG」のコンテンツサイトとして立ち上がったJAWS-UG on ASCIIが立ち上がり、6月1日に1周年を迎えることができた。サイト支えてくれた多くの読者やクライアントにまずはお礼を言うとともに、ここでは1年で実現できたこと、そして実現できなかったことをご報告しておきたい。
勉強会を追い続けてたら、まずは1年続けられた
JAWS-UG on ASCII開設から1年が経った。もともとJAWS-UG関連の記事はかなりの数があったのだが、JAWS-UG on ASCIIという「器」ができたことで、取材活動が継続的に行えるようになった。
オオタニもJAWS-UG on ASCIIの取材でさまざまな勉強会・支部にお邪魔した。オープン直後にはJAWS-UGのメンバーと韓国に渡り、AWSKRUGとの共催勉強会を取材。これまでの海外出張とは違う楽しさを得ることができた。大分と熊本の勉強会をはしごすべく九州にも渡ったし、大阪や神戸、福岡などにもお邪魔し、現地のエンジニアと楽しく交流できた。また、首都圏でもSecurity-JAWSやCLI専門支部、OpsJAWS、JAWS-UG東京、JAWS-UG横浜などに足を運び、JAWS DAYSにはスポンサー・登壇者としてイベントに関わることができた。昨年のJAWS DAYSに参加したあと、やりたいと思ったことが少しずつ実現できている。
とはいえ、サイトが今まで続けられたのは、キャンピングカーを乗り回し、労苦をいとわず地方取材を担当してくれるライター重森大がいたからにほかならない。浜松や金沢、白山、青森、福岡、広島などの勉強会のほか、四国のクラウドお遍路、そして名古屋のJAWS Festaまで数多くの勉強会レポートをコミュニティらしく、楽しく伝えてくれた。そんな重森とオオタニはある意味JAWS-UG on ASCIIのまさにバーチャル編集部として、次にどのような勉強会に行くか相談しながら記事を展開してきた。正直、彼がいなかったら、JAWS-UG on ASCIIは継続できなかったわけで、「重森さん、まじ重森さん!」と声高に感謝の言葉を捧げたい。
今でも同業の記者からは「オオタニさん、本当にJAWS LOVEですよねー」とよく冷やかされる。確かに最近は発表会やプレスイベントより、JAWS-UGのような勉強会の方が落ち着いてしまう。そんな日々を送りつつ、自分の中で確信めいているのは、大手メーカーやSI会社が業界を動かす時代は終わったということ。クラウドの登場で、個人あるいは小さなチームが世の中を変えていく現場を目のあたりにしている記者としては、その原動力となるコミュニティに突っ込むのは当然だと思ってしまうのだ。
続けられたこと、JAWS-UGの活動を知らしめられたことがなによりの成果
JAWS-UG on ASCIIで実現したことは、まずは業界内での認知とJAWS-UGのアピールであろう。不思議なもので、誰でも更新をチェックできる「掲出枠」というものができると、記者の中にはサイトを更新していかなければという強い使命感が生じる。AWS自体の進化も速いことも大きいが、JAWS-UGの勉強会も毎度さまざまな指向でユニークな勉強会を展開しているので、1年経ってもまったく飽きることなくレポートも掲出できている。結果として、月によって差はあるが、JAWS DAYSやJAWS Festaなどの大型イベントがあるときは月で2桁の記事を掲出できるようになり、在京メディアが行かないような勉強会までカバーできるようになった。JAWS-UGというクラウドコミュニティの活動を、全国のユーザーに継続的にアピールできた点は大きかったのではないかと思っている。「記事を読んで、JAWS-UGに参加しました」という一言をいただくだけで、さまざまな苦労が報われる。
結果としてオオタニおよび重森のエンジニア人脈も大幅に拡大した。読者から直接話を聞くことも増えたし、地方の勉強会でエンジニアと名刺交換しても「AWSやJAWSすごい書いている人ですよねえ」と認知されるようになった。JAWS-UG広報の青木さんを始めとして多くのJAWS-UGメンバーが積極的にサイト自体を告知し、記事をシェアしてくれることもあり、エンジニアの読者が定期的に訪れてくれるようになっている。
また、黒字化にはほど遠いが、サイトの制作費やイベントスポンサーの原資となるタイアップ広告も少しずつ入りつつある。JAWS-UG on ASCIIは元AWSの小島英揮氏が提唱している「Don't Sell Community、Sell Thorough Community(コミュニティに売るな。コミュニティを介して売れ)」をメディアとして実現するモデルで展開している。AWSに精通したエンジニアにクライアントのAWS関連プロダクトをアピールするというコンセプトで、これまでタイアップ記事をやらせていただいた。取材活動には原資が必須だが、現状は営業がバリバリ売りに行っている状態ではないので、興味がある方はまずはオオタニにお声がけいただきたい。
課題は山積みだが、JAWS-UG on ASCIIはこれからも前に進む
一方、深刻なのが取材リソースの問題だ。ありがたいことに、JAWS-UG on ASCIIを見て「あのサイトのようなコミュニティ中心のマイクロサイトをやってみたい」といったお声もいただくようになり、TECH.ASCII.jpは昨年に比べても多くのスポンサードサイトをやらせていただくことになった。当然、どのサイトも同じテンション・同じ愛情で作る必要があるため、負荷率は常時高い。加えて、さまざまなコミュニティから取材のお誘いをいただくようになった。他のクラウドコミュニティはもちろん、ITベンダーの勉強会、言語系やOSS系のコミュニティ、渋谷界隈のエンジニア勉強会など、普段われわれがまったくタッチしていない領域の方々からもユニークなネタを持ち込んでもらえるようになった。これらも当然、取捨選択する必要がある。
こうした状況で、重森が定期的レポートを挙げてくれているためどうにか回っているものの、日々のニュースや取材活動などもあわせると、オオタニ個人としてJAWS-UGの記事まで手が回らない状況に陥っている。とはいえ、忙しいことをできない理由にするのは愚の骨頂。私自身も7月にはJAWS-UG取材を再開しつつ、ITコミュニティの勉強会レポートを書いてくれるライターを募集している。
特にAWSに目覚めたエンジニア達を丹念に追うAWS samurai連載は、ロックスターの活動を追うJAWS-UG on ASCIIならではのコンテンツであることを、最近気づかされた。 あの記事を読んで、イベント登壇や寄稿をお願いしたという同業者の話を聞いたからには、やはり前に進める以外の道はない。ということで、先ほど取材依頼のメッセージを投げたところなので、届いた方はぜひ前向きにご対応いただきたい。
ということで、勉強会のお誘いは常時お待ちしているし、こちらからも積極的に出かけていく予定。引き続きJAWS-UG on ASCIIの応援をよろしくお願いします! Still Day1!
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