米国は5月29日のメモリアルデーが休日であったため、三連休だった人も多かったようです。最終日に当たる月曜日は、ショッピングやレジャー施設、どこもかしこも人とクルマでいっぱいという状況でした。
本連載でも過去にご紹介した果樹園つかみ取りの街、ブレントウッド。バークレーから北東へ1時間ほどの位置にあるこの街は、ちょうどサクランボとモモの季節になりました。
日曜日に行ってみると、1つの農園の前が大渋滞……。きっとテレビか何かで紹介されたのでしょう。そこから1ブロック(といっても1km以上)いったところにある農園は、さほど混んでなく、完熟のアメリカンチェリーが鈴なりでした。
つかみ取りができるこの農園は、中で食べる分はカウントされず、バケツに取った果実は全部支払ってねというシステム。口のまわりが真っ赤になるまで堪能したあとで、2kgのアメリカンチェリーを11ドルで買って帰ってきました。
そして月曜日は、今度はバークレーから南に1時間ほど走ったところにあるスノルという場所へ。清流に入ったり、「リトルヨセミテ」と呼ばれる岩場までの緩やかなトレッキングが楽しめる、お気に入りのリージョナルパークです。
普段は、若干さみしい、良く言えば穴場感がある場所だったのですが、今日はクルマがびっしり。バーベキューにトレッキングとたくさんの人が公園を楽しんでいました。
米西海岸の郊外では
電波は割と簡単に届かなくなる
スノル公園エリアは、高速道路の出口を出てから20分ほどの距離にあるのですが、割と早い段階でケータイの電波は届かなくなります。そのため、いくつかの準備をしておく必要がありました。
まずは地図。スマホの地図アプリは電波が届かないと、その周辺の地図を表示することができず、ナビもできないため、自宅であらかじめ、スノル周辺の地図をアプリにダウンロードしておかなければなりません。
また、今回は友人と現地で待ち合わせにしたのですが、友人にも圏外であることを伝えて、Googleマップ上の座標地点を目的地に目指してきてもらい、そこで合流しなければ会えなくなってしまいます。着いたら連絡……といっても現地ではお互い圏外であることから、連絡手段がないのです。
お互い車で動いているため、電波が通じるうちにどの辺にいるかを共有していれば、大体の到着時間はわかるわけですが、今日はとても混んでいて、予定していた駐車スペースに求められなかったため、案の定、探すためにしばらくはグルグルと駐車場を回らなければなりませんでした。
地図や連絡など、普段スマホで当たり前にできることは、圏外になると途端に使用不可となってしまいます。そもそもスマホやケータイがないころは最初から不可能だったわけで対策自体は取れますが、圏外の世界へと後戻りできなくなっている感覚を再確認しました。
圏外でも対応できることと、圏外を好まないことは同居しうると思います。前者はテクニックであり、後者は趣向だと思うからです。むしろ圏外を好んで住処を選ぶ方が難しいくらい、日本でも米国でも、ケータイが繋がらないエリアは狭くなってきているわけで、圏外の場所を好むと言っても「毒された現代人」と揶揄されることはもうないでしょう。
基本は一方向のツールのGPSだが
GPSは対応機器を持っていると、世界中で自分の位置情報をキャッチすることができます。最近日本でも準天頂衛星「みちびき」が打ち上げられ、日本独自の位置情報システムが構築されつつあります。
ちなみに、iPhone 7やApple Watch Series 2は、日本の「みちびき」をサポートしているそうで、整備が進んでいくことで、日本国内では従来のGPS以上に細かく正確な位置情報の取得が可能になるでしょう。
GPSは、当然ながら位置情報を知るだけの手段であって、自分のメッセージを誰かに届けることはできません。と書くと、ツッコミが入りそうなのであらかじめ触れておくと、GPSのログで文字や図形を描くことで、メッセージを届けることはできます。が、途方もない計画と時間が必要なので、LINEのように気軽に、というわけには行きません。
GPSは記録するだけの情報ですが、それでも面白い情報を蓄積することができます。
たとえば、前述のApple Watchで「ウォーキング」というワークアウトをONにしておくと、iPhoneが圏外であっても、位置情報を取りながら、ウォーキングの距離を正確に計測し、地図上に経路をマッピングしてくれます。
圏外なので、歩きながら地図を見ることはできず、紙の地図を頼りにトレッキングをすることになりますが、後から振り返ると、地図上に歩いた経路が表示され、どんな地形だったのか、見えていた川や岩が何だったのか調べることができます。
別にウォーキングのワークアウトをONにしなくても、スマホで写真を撮っておけば、位置情報付きで記録できるので同じことではあるのですが。
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