8K化される次世代地上波放送も出展 次世代映像符号化方式も
将来的な8K化が期待される次世代地上波放送関連の展示も実施されていた。
映像フォーマットとしては8K解像度が考えられており、現在の展示段階ではMPEG-H HEVCビットレート30Mbpsを利用。同時にワンセグ放送についてもMPEG-H HEVCビットレート1Mbpsに高画質化される。
ただし、映像圧縮方式については現在の「HEVC/H.265」ではなく、国際標準化団体で検討中の最新符号化方式、つまり新コーデックのの策定が進められており、NHKも策定に協力している。
会場でデモしていた映像デモでは、最新符号化方式を「HEVC/H.265」と比較して同一画質が3割減程度のデータ量で実現。ただし、新符号化方式は現時点では「HEVC/H.265」と比較してエンコード時間は20倍程度と重い。なお、符号化方式の基本的な考え方として、エンコーダー側ではこれ以上の効率化が難しくなってきたため、デコーダー側にもより負担のかかる方向へと向かっていくようだ。
最新符号化方式は2020年の標準化を目指しており、実際のエンコーダーの登場はそれ以降が見込まれる。
「放送×AI」で番組制作をサポート
番組制作関連の展示では「AIを活用したスマートプロダクション」を大々的に出展。これは社会にある広範囲・迅速にさまざまなデータを取得、AIで解析して番組制作を支援しているというものだ。
たとえば事故・災害情報ではツイッターの口コミをチェックして災害が起こっていそうな場所を特定。写真に写った看板などの情報も解析してその位置を特定できる。ほかには交通情報、河川水位など自治体が提供するビッグデータも取得し、番組制作の情報源とする。人力では扱いきれない膨大な情報を効率的に扱うために、NHKが持つ番組制作に関する知見を用いて「AI」が活用されている。