普通高価なはずのハイブリッドイヤフォンが4000円を切る価格で! しかもケーブル交換までできてしまうのだ。
e☆イヤホンは4月28日、BA型ユニットとダイナミック型ユニットを組み合わせたハイブリッドイヤフォン「KINERA Bd005E」の独占販売を開始した。5月7日開催のポタフェス大阪・梅田でも展示する。価格は3980円。
中国市場でヒットした「Bd005」がベースモデル。MMCX端子によるケーブル交換が可能。自社開発のBAドライバを搭載している。今回、日本市場をターゲットに音質を改良。末尾にEの文字を冠した。特にダイナミックドライバーを徹底的に見直し、シェル内部の構造を変更している。
Bd005Eは、迫力のあるライブサウンドがコンセプト。ハイブリッドタイプのイヤホンで しか成しえない、迫力の低音ときらびやかな高音で、臨場感のあるライブサウンドを実現しているとのこと。音域の広さ、メリハリある聴きやすいリスニング系トーンバランスといった点も特徴だ。
Dongguan Yutai Electronic(东莞市余泰电子有限公司)は、2010年に研究部門の「Yudai electric acoustic research center」を設置。本格的なオーディオの研究開発を開始した。その後2年で24の特許を取得。世界市場に向けた各種認証を獲得し、2012年に「Kinera」(キネラ)ブランドを立ち上げ、オーディオ市場に本格参入した。
BAドライバーは自社開発の「SH10020」、ダイナミックドライバーのサイズは直径9mm。インピーダンスは12Ω、音圧感度は103dB±3db。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。MMCX対応で、重さは約30g。
パッケージを開けて、実機を見ると、青い筐体が思いのほか鮮やかで、美しい。ケーブルはエナメル調で派手な印象なのだが、若干古くさい感じがした。付属ケーブルのジャックは微妙な角度がついている。スマホをポケットに入れる際に多少邪魔になりそうだ。
装着はいわゆるシュアがけで、ケーブルのワイヤーがはいった部分を耳に巻くように装着する。ただチョーカーがなく若干固定感が頼りない感じも。リモコンボタンの長押しでSiriを起動できる。
これら細かな部分はチェックしたいが、以下に述べるように音はなかなか鮮烈である。
音質については、まず圧倒的な低域のボリューム感が特徴。口径の大きなスピーカーで聴いているような包囲感がある。量感があるが、少し甘い。というよりも、広がり感を重視している印象だ。ローエンドはかなり低いところから鳴っているようだ。ジャズのビッグバンドなんかに合いそうだ。
ボーカル領域の音は距離が近く聞こえ、質感がリアルに伝わる。解像感もたかい印象だ。感度が高いせいか、例えば女性ボーカルを聴くと、少しハスキーな声の質感やブレスなどが生々しくてドキッとする。楽器でいうと、ブラスなどもリアルだ。
全体に窮屈さがない、開放的なサウンドである。大きめのホールでPAを聴いているようなスケール感がある。一方、高域は控えめのバランスで、子音もそれほど前に立たない。意外と疲れにくそうな、ウォーム系のサウンドと言える。低域のボリューム感が爽快で、聴き続けると癖になる感じ。なお、密閉型だが遮音性はそれほどではない。