ファッション業界では、SNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサーの投稿が売上に大きな影響を与えている。売上拡大にはインフルエンサーマーケティングが不可欠という状況のなか、世界で1万7000人のインフルエンサーが利用するインフルエンサーマーケティング・プラットフォームが日本でサービスを開始する。
「ShopStyle Collective」日本語版が開始
そのプラットフォームは、世界最大級のグローバルファション検索サイト「SHOPSTYLE」が4月1日に提供開始する「ShopStyle Collective」日本語版(WEB・iOSアプリ)だ。
これまでインフルエンサーは、フォロワー数やアクセス数以外に、自身の影響力を可視化するツールはあまり知られていないが、「ShopStyle Collective」を利用すれば、Facebook・Twitter・instagram・ブログ・Snapchat・PinterestなどのSNSでの影響力を可視化・分析できる。投稿した結果を分析し、次回からの投稿に生かすなど、セルフブランディングに利用できる。
また、ファッションアイテムの投稿によるマネタイズもでき、実績の高いインフルエンサーには、世界的なブランドからコラボレーションのオファーの可能性もある。
同プラットフォームは2015年9月にサービスを開始し、アメリカ・ヨーロッパを中心に世界で1万7000人以上がアカウントと登録し、セルフブランディングに活用している。フォロワーへのリーチは、3月時点で累計3億9700万人に達している。「SHOPSTYLE」のアクセス数が世界都市別1位となったことから、日本でもサービスを開始した。
メーカーとコラボレーションのチャンスも
「ShopStyle Collective」には、影響力の可視化・分析、マネタイズ、影響力の拡大支援の機能がある。
マネタイズ機能は、ウェジットやビデオタグなどを埋め込むことで、個人のSNS投稿からショッピングコンテンツが作成できる。「SHOPSTYLE」APIにより、100万点以上の商品にアクセスし、SNS投稿からマネタイズができる。報酬を得やすいレート獲得も可能。
影響力の可視化・分析機能では、シリコンバレーの最新テクノロジーを利用したパーソナライゼーションが可能。SNSアカウントに投稿したショッピングコンテンツを追跡し、人気のあったアイテムやコンバージョンしたアイテム、報酬が上がったアイテムなどのパフォーマンス分析ができる。分析結果は、ショッピングコンテンツのパフォーマンス向上に活用できる。
影響力拡大支援として、ファッション・ビューティー・インテリア・フィットネスなどの世界的なブランドと、「SHOPSTYLE」による限定コラボレーションに、参加することも可能となる。同プラットフォームがメーカーとインフルエンサーの仲介役となり、メーカー側からインフルエンサーにコラボのオファーが来ることもある。日本では、メーカーからタレントなどにコラボを依頼することが多いが、一般人のインフルエンサーにもこうした機会が提供されるチャンスがある。
「SHOPSTYLE」は、世界最大級のグローバルファッション検索サイトで、1000万点を超える商品を検索できることから、「ファッション界のGoogle」と呼ばれているという。アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・日本など7カ国でサイトを運営し、2014年度は全世界で10ドル以上の売上を創出。平均購入単価は300ドルを超えた。ユーザーの嗜好を自動で学習し、好みのブランドやアイテムを提案する機械学習機能「セレクトショップ」もあり、ユーザーから好評を得ているという。