シャープは、インターネットにつながりユーザーの利用パターンに応じた家事援助を行なう冷蔵庫「SJ-TF49C」を発表しました。3月21日発売予定で、予想実売価格は35万円前後(税抜)です。
シャープのクラウド技術を活用できる冷蔵庫
SJ-TF49Cは一見すると、一般的な冷蔵庫と何ら変わらないように見えますが、ネット経由でクラウドにつながり、ユーザーの習慣を学習し、スマホ向けアプリ「COCORO KITCHEN」と連携して、買い物情報などを音声で教えてくれます。
機能は大きく分けて3種類。ひとつは「食材スッキリナビ」と呼ばれるもので、ユーザーがでかける前に、COCORO KITCHENの「購入済みリスト」に登録された情報をもとに、夕飯の献立をオススメ。冷蔵庫に向かって「そうする!」などと了承すると、COCORO KITCHENアプリのメニューリストに登録されます。
献立は、発売時には約370種類用意されており、冷蔵庫自身からオススメされるだけではなく、使いたい材料(最大2種類)やジャンルを指定して、探させることも可能。また、気候情報や旬の食材、クリスマスなどの季節のイベントなども参考にしているので、バリエーションに富んだアドバイスを受けられます。
2点目の機能は「買わなきゃナビ」。冷蔵庫と会話をしているときに「買い物メモお願い。牛乳!」などと言うと冷蔵庫が牛乳をクラウド経由でCOCORO KITCHENアプリの「買い物リスト」に登録してくれます。また、卵や牛乳、ビールなど定期的に買っているものについては、登録をし忘れていると「そろそろビールを買う時期ですね。」などと話しかけてくれます。
買い物リストへの登録はもちろんCOCORO KITCHENアプリからも可能で、同じシャープIDでログインしている端末間で同期されます。
そして、3点目は「生活リズムナビ」。これは先述の2つの機能が家事を助けてくれるものだったことに対し、その名の通り日常生活に役立つ情報を教えてくれる機能です。たとえば、寝る前に冷蔵庫を開けたときに、翌日の天気を教えてくれたり、旬の食品や情報、「おつかれさまです」と言ったねぎらいの言葉を話してくれます。
「冷蔵庫」単体でもしっかりとしたスペック
これらの機能は、冷蔵庫上部に設置されたWi-Fiモジュール(IEEE802.11b/g/n対応)でネットに接続し、扉を開閉した頻度や時間帯をクラウドにアップ。クラウド上で、買い物リストへの登録・完了状況とあわせて分析することで、ユーザーの習慣を学習していきます。
なお、冷蔵庫が発話する&こちらが話か得られるタイミングは、扉を開けた時か、扉の「おはなし」ボタンを押した時に限られます。
冷蔵庫としての仕様は、定格内容量485リットル、6ドアで、同社の「プラズマクラスター」を搭載。冷蔵庫部はうち254リットルで、さらにその内側に13リットル分のチルドルームを用意。
冷蔵室、チルドルーム、野菜室のそれぞれは風をあてずに乾燥を抑えて冷却できる「トリプルステンレス」を採用し、食品の鮮度を保持できます。
COCORO+の「横のつながり」に期待
同社は家電に対して、クラウドと接続することでより快適に、そして人に寄り添う機能を加える「COCORO+」というプロジェクトを展開中。すでに、エアコンやウォーターオーブン、テレビに接続するSTB、スマホ、RoBoHoNと、5種目で展開していましたが、今回の冷蔵庫「SJ-TF49C」で6種目になります。
現状では、それぞれのデバイスで蓄積・学習したデータを別のデバイスで活用することはできていませんが、今後対応機種や利用者が増えることによって、よりユーザーに密着したサービスや製品が生まれるかもしれません。