視線追跡(アイトラッキング)に対応するVRヘッドマウントディスプレー(VRHMD)である「FOVE 0」。ASCII編集部にも到着しており、アダルトVR記事でおなじみの購入者であるVRアダルティスト ハッチ氏の卓上に転がっていたので、当人の許可を待つのももどかしかったので、容赦なく開封してテストしてみた。
FOVE 0の概要を見ていくと、形状はすっかりおなじみになったVR HMDであり、重量約520グラム。装着感はまずまずで、調整式ストラップでのフィッティングも装備したままでもやりやすい。ディスプレイは2560×1440ピクセル、70fps、視野角最大100度となっている。内部にはトラッキング精度1度のIRアイトラッキング×2を備えており、こちらのフレームレートは120fpsだ。PCへの接続はHDMI 1.4×1、USB 3.0×1、USB 2.0×1(電源用)、ポジショントラッキングカメラ×1はUSB 2.0になる。
対応ゲームエンジンプラグインは、UnityとUnreal、Xenkoで、VRゲームタイトルとの互換性は、SteamVRとOSVRが準備中。SteamVRβテスターを募集中(https://goo.gl/forms/pdzVVYEAo2XMs4Nm2)で、参加するとSteamVR対応のVIVEで楽しめるゲームが遊べるようになる。
さて、アイトラッキングで実現されていそうなことを見ていこう。以前にデモされていた内容では、ロックオンを視線で行なえる点でよくアピールをしていた。マクロスFにおいてオズマ・リーがやっていたアレである。
またオフィシャルサイトを見てみると、F値の低いカメラで人物をフォーカスしたときのように背景をぼかせたり、注視したところだけグラフィックを強化するフォービエイテッドレンダリングもアピールされている。
フォービエイテッドレンダリングは、ソードアート・オンラインでも言及されており、それもあってかコラボとしてアスナさんがFOVE VRホームに登場する「FOVE×ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」が2017年7月31日までダウンロード可能だ。上記しているように、βテスターとして参加しない限りは、FOVEで楽しめるのはアスナさんと体験版的なゲームだけである。
視線の取得を見ていくと、激しく眼球を動かす必要はない。たとえば、右の隅っこを見たいとしたときは、顔を動かしてから、少し視線を動かす程度で問題ナシである。Demo Launcherにある「Judgement」が分かりやすく、視線の位置が表示されるため、まずはこのタイトルでアイトラッキングに慣れてみるといい。
それから、Demo Launcherに戻り、またアスナさんに視線を送ってみると、よりスムーズに楽しめるだろう。また他のVR HMDとの違いは、アイトラッキングの精度を高めるために遮光に重点を置いているためか密着度合いが高く、妙に暑く感じるところだろうか。短時間のプレイでも汗がよく出た。
取り急ぎ、できる範囲をテストしてみたが、アイトラッキングで遊べる可能性はよく体験できた。SteamVRやOSVRでFOVE対応ゲームタイトルが増えてきてからが本番になる。それまではSteamVRやOSVRへの正式対応を待ちつつ、βテスターとして参加することになるが、VRHMDとしての仕上がりもいい。対応タイトルの増加を期待するばかりだ。
©FOVE
©2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project