ラスベガスで開催中の「CES 2017」にあわせて発表されたASUSの新型スマホ「ZenFone 3 Zoom」と「ZenFone AR」。それぞれ発売日や仕様が明らかになっていない部分があるが、現時点での実機での特徴を紹介しよう。
デュアルレンズで光学ズーム&高速AF対応の「ZenFone 3 Zoom」
大容量バッテリー搭載で個人ライブ配信も意識
ZenFone 3 Zoomはその名のとおり、ズームレンズを搭載したカメラ特化のスマートフォン。本体背面には25ミリの広角レンズと、59ミリのレンズの2つを搭載する。いずれも解像度は1200万画素。iPhone 7 Plus同様、2つのレンズをそれぞれ使い、光学2.3倍ズームの撮影を可能にしている。
また、0.03秒でピントの合う、3つの技術を組み合わせる「ASUS TriTech+」(第2世代レーザーAF、トラッキングAF、デュアルピクセル位相差AF)は、暗いシーンでのフォーカス速度も高速化された。実際に、ZenFone 3 Zoomで写真を撮影してみると、タッチ&トライコーナーの暗めな室内でも、違和感なくピントが合った。
さらに、セルフィー(自撮り)機能も強化。正面カメラは1300万画素、F値2.0のものを搭載する。ビューティーモードも搭載し、肌の色などの細かい調整も可能だ。この機能は特に女性に好まれるだろう。
背面カメラはマニュアルモードやRAW撮影にも対応するなど、カメラの機能は他社のスマートフォンと比べても業界トップクラスに位置している。
本体サイズは厚みが7.99ミリ。重さ170グラム。背面はフラットな形状で、手に持ってみると片手でも十分持てる大きさだ。背面上部中央に配置された指紋認証センサーも左右どちらの手で持っても人差し指で難なく操作できる。
ディスプレーは落下時の衝撃により強くなった「ゴリラガラス5」で強化されており、カメラ特化スマートフォンとして日々安心して使うことができるだろう。
搭載バッテリーは5000mAhと大容量。同社によれば、このレベルの容量を搭載するスマートフォンとしては、世界最薄であるという。4K動画の撮影は6.4時間。
また、SNSのライブストリーミングは8.5時間の利用が可能。いまやスマートフォンで4K動画を撮影することや、「Facebook Live」や「LINE LIVE」などでのストリーミング視聴が一般的に使われていることを示唆していた。
発売は2017年2月になると発表された。中華圏の旧正月(2017年は1月28日)明け、バルセロナで開催されるMobile World Congress 2017の前あたりに発売されるものと推測される。
価格は現時点では未定だが、チップセットに低消費電力に優れたSnapdragon 625を搭載していることから、ミドルハイクラスになるものと予想される。2月は各社からハイエンドスマートフォンが相次いで発表される予定だが、ASUSは業界最高峰クラスのカメラ搭載機で対抗する構えだ。
グーグルのARとVR技術を両立させた「ZenFone AR」
詳細は5月末のCOMPUTEX 2017で公開か
もうひとつの新製品「ZenFone AR」は、VRに加え、ARにも対応した製品。グーグルのVR技術「Daydream」と、AR技術「Tango」に対応。この2つに対応したスマートフォンは世界初となる。
いずれもマシンパワーを必要とする機能だけに、ZenFone ARのスペックも非常に高い。チップセットはTango用にカスタマイズしたSnapdragon 821を搭載。メモリーは8GB。PCでつちかった蒸気冷却システムにより本体の熱暴走を抑えることができる。
本体背面には「ASUS TriCam System」と呼ぶ3つのカメラを搭載。2300万画素のメインカメラに加え、動作感知と位置行なう2つのカメラ、合計3つのカメラでARに対応する。
Tango対応のアプリは、米アパレル衣料メーカーであるGAP社のバーチャル着替えアプリや、ゲームなどが紹介された。ただし、タッチ&トライで試す端末にはTango系アプリは未搭載であり、ZenFone ARのTangoまわりの性能を試すことはできなかった。
ディスプレーは、5.7型WQHD解像度(1440×2560ドット)有機EL。本体背面は側面に向かって湾曲した形状で、すべり止め加工を兼ねたデザインの表面処理により片手で持ってもホールド感がある。本体サイズは77.7(W)×158.67(D)×4.6~8.95(H)ミリとなっているが、変更の可能性あり。質感はZenFone 3 Zoomよりも、さらに高いと言える。
価格は未定。発売時期は2017年第2四半期と発表された。4月から6月の間の発表ということで、6月にASUSの地元、台湾で開催されるCOMPUTEX 2017の会場では製品版の展示がお披露目されることだろう。
Tango対応スマートフォンはレノボの「PHAB2 Pro」がすでに日本でも発売中。しかし、PHAB2 Proが6.4型ディスプレーを搭載しながら、チップセットはSnapdragon 652、メモリーは4GB。ZenFone ARはそれを超えるハイスペックスマートフォンということで、ARのアプリ開発や店舗での利用など、AR普及を推し進める端末になるだろう。
この連載の記事
-
第18回
TECH
ネットギアがゲーミングに最適な8ポートハブや「子守り用」カメラを出展 -
第17回
デジタル
ファーウェイは「一等地」にブースを構える、米国ではアウェーのファーウェイ、基調講演でMate 9をアピール -
第17回
PC
デルがCES 2017でパソコンの可能性を広げた革新的な製品を発表 -
第16回
ビジネス
攻殻機動隊の世界がきた!Cerevoブースの1/8スケール電動タチコマにワクワク -
第15回
スマホ
SIMを買わずに世界中で使えるeSIM内蔵スマホ「NUU X5」を実機チェック -
第13回
ビジネス
NVIDIAの自動運転車「BB8」の実走をCES2017で目撃(動画) -
第12回
PC
次世代CPU「RYZEN」対応マザーをAMDのパーティー「Club AMD」で目撃 -
第11回
デジタル
IoT機器も家族も守る「インテル入ってる」かしこいルーターがめちゃ便利だった -
第10回
PC
3画面ノートPCだけじゃない!意欲的な製品を披露したRazerに期待大 -
第9回
スマホ
世界初の4in1デバイス「Graalphone」はスマホ・3Dカメラ・タブレット・PCが1台に!? - この連載の一覧へ