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CES 2017レポート 第14回

最新カメラ技術を生かしたASUS「ZenFone 3 Zoom」「ZenFone AR」を実機レビュー

2017年01月09日 17時00分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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 ラスベガスで開催中の「CES 2017」にあわせて発表されたASUSの新型スマホ「ZenFone 3 Zoom」と「ZenFone AR」。それぞれ発売日や仕様が明らかになっていない部分があるが、現時点での実機での特徴を紹介しよう。

デュアルレンズで光学ズーム&高速AF対応の「ZenFone 3 Zoom」
大容量バッテリー搭載で個人ライブ配信も意識

「ZenFone 3 Zoom」

 ZenFone 3 Zoomはその名のとおり、ズームレンズを搭載したカメラ特化のスマートフォン。本体背面には25ミリの広角レンズと、59ミリのレンズの2つを搭載する。いずれも解像度は1200万画素。iPhone 7 Plus同様、2つのレンズをそれぞれ使い、光学2.3倍ズームの撮影を可能にしている。

 また、0.03秒でピントの合う、3つの技術を組み合わせる「ASUS TriTech+」(第2世代レーザーAF、トラッキングAF、デュアルピクセル位相差AF)は、暗いシーンでのフォーカス速度も高速化された。実際に、ZenFone 3 Zoomで写真を撮影してみると、タッチ&トライコーナーの暗めな室内でも、違和感なくピントが合った。

 さらに、セルフィー(自撮り)機能も強化。正面カメラは1300万画素、F値2.0のものを搭載する。ビューティーモードも搭載し、肌の色などの細かい調整も可能だ。この機能は特に女性に好まれるだろう。

 背面カメラはマニュアルモードやRAW撮影にも対応するなど、カメラの機能は他社のスマートフォンと比べても業界トップクラスに位置している。

本体背面のデュアルカメラ

 本体サイズは厚みが7.99ミリ。重さ170グラム。背面はフラットな形状で、手に持ってみると片手でも十分持てる大きさだ。背面上部中央に配置された指紋認証センサーも左右どちらの手で持っても人差し指で難なく操作できる。

 ディスプレーは落下時の衝撃により強くなった「ゴリラガラス5」で強化されており、カメラ特化スマートフォンとして日々安心して使うことができるだろう。

高性能なカメラを搭載しながら厚みは7.99ミリに抑えた

 搭載バッテリーは5000mAhと大容量。同社によれば、このレベルの容量を搭載するスマートフォンとしては、世界最薄であるという。4K動画の撮影は6.4時間。

 また、SNSのライブストリーミングは8.5時間の利用が可能。いまやスマートフォンで4K動画を撮影することや、「Facebook Live」や「LINE LIVE」などでのストリーミング視聴が一般的に使われていることを示唆していた。

カメラUIはiPhoneに倣っている。ワンタッチで2.3倍ズームへの切り替えも可能

 発売は2017年2月になると発表された。中華圏の旧正月(2017年は1月28日)明け、バルセロナで開催されるMobile World Congress 2017の前あたりに発売されるものと推測される。

 価格は現時点では未定だが、チップセットに低消費電力に優れたSnapdragon 625を搭載していることから、ミドルハイクラスになるものと予想される。2月は各社からハイエンドスマートフォンが相次いで発表される予定だが、ASUSは業界最高峰クラスのカメラ搭載機で対抗する構えだ。

グーグルのARとVR技術を両立させた「ZenFone AR」
詳細は5月末のCOMPUTEX 2017で公開か

「ZenFone AR」

 もうひとつの新製品「ZenFone AR」は、VRに加え、ARにも対応した製品。グーグルのVR技術「Daydream」と、AR技術「Tango」に対応。この2つに対応したスマートフォンは世界初となる。

 いずれもマシンパワーを必要とする機能だけに、ZenFone ARのスペックも非常に高い。チップセットはTango用にカスタマイズしたSnapdragon 821を搭載。メモリーは8GB。PCでつちかった蒸気冷却システムにより本体の熱暴走を抑えることができる。

 本体背面には「ASUS TriCam System」と呼ぶ3つのカメラを搭載。2300万画素のメインカメラに加え、動作感知と位置行なう2つのカメラ、合計3つのカメラでARに対応する。

 Tango対応のアプリは、米アパレル衣料メーカーであるGAP社のバーチャル着替えアプリや、ゲームなどが紹介された。ただし、タッチ&トライで試す端末にはTango系アプリは未搭載であり、ZenFone ARのTangoまわりの性能を試すことはできなかった。

質感の高い本体

 ディスプレーは、5.7型WQHD解像度(1440×2560ドット)有機EL。本体背面は側面に向かって湾曲した形状で、すべり止め加工を兼ねたデザインの表面処理により片手で持ってもホールド感がある。本体サイズは77.7(W)×158.67(D)×4.6~8.95(H)ミリとなっているが、変更の可能性あり。質感はZenFone 3 Zoomよりも、さらに高いと言える。

 価格は未定。発売時期は2017年第2四半期と発表された。4月から6月の間の発表ということで、6月にASUSの地元、台湾で開催されるCOMPUTEX 2017の会場では製品版の展示がお披露目されることだろう。

丸みを帯びたデザインで、厚さはあまり感じられない

 Tango対応スマートフォンはレノボの「PHAB2 Pro」がすでに日本でも発売中。しかし、PHAB2 Proが6.4型ディスプレーを搭載しながら、チップセットはSnapdragon 652、メモリーは4GB。ZenFone ARはそれを超えるハイスペックスマートフォンということで、ARのアプリ開発や店舗での利用など、AR普及を推し進める端末になるだろう。

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