ノングレア液晶採用で目への負担が小さく、アクティブペンにも対応
液晶は12.5型で、解像度は1920×1080ドットのフルHDである。ノングレア仕様なので、外光の映り込みが抑えられており、長時間使っても目への負担が小さいことがメリットだ。最近は、光沢液晶を採用する製品が多いが、ビジネスなどで長時間使う場合や、さまざまな場所で使う場合は、やはりノングレア液晶のほうが好ましい。発色やコントラスト、視野角についても十分満足できるレベルだ。
液晶はマルチタッチ対応で、指などで操作が可能なだけでなく、上位モデルのdynabook V82とdynabook V72は、アクティブ静電結合方式のデジタイザを搭載しており、ペン入力にも対応する。上位モデル2製品は、2048段階という高精度な筆圧検知に対応したアクティブペンが付属しており、手書きメモなどに活用できる。ペンは書き味にもこだわっており、液晶表面との摩擦が適度で、滑りすぎず書きやすい。また、プリインストールされている東芝独自の手書きノートアプリ「TruNote」も、メモをとった後に色やフォントを変更することができるなど使い勝手がよい。
快適に入力できるキーボード、指紋センサーも全機種に搭載
dynabook Vシリーズは、キーボードにもこだわっている。液晶が12.5型なので、スペースは限られているが、中央部のキーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmで、15.6型スタンダードノートPCと同等である。ただし、右側の「む」や「ろ」などの一部のキーのキーピッチはやや狭くなっている。また、キートップが平らではなく、中央にむかって0.2mm凹んでいるため、指先にフィットし、指が滑ってしまうことを防いでいる。補強リブを入れることで高い剛性を実現しており、打鍵感も良好だ。キーボードにはバックライトが搭載されており、バックライトの輝度も3段階に変更できるので、暗い場所でもミスタイプを防げる。
ポインティングデバイスとしては、タッチパッドが採用されている。タッチパッドは、クリックボタンと一体化したタイプであり、ジェスチャー操作などにも対応する。タッチパッドの左上には、Windows Hello対応の指紋センサーが搭載されており、Windowsへのログインやロック画面の解除、ECサイトの決済などが可能だ。この指紋センサーは、指を滑らせるタイプではなく、指を載せるだけで認証が可能であり、認証精度も高い。
Windows Hello対応の顔認証センサーを搭載
前述したWindows Hello対応指紋センサーは、dynabook Vシリーズ全機種に搭載されているのだが、最上位のdynabook V82では、さらにWindows Hello対応の顔認証センサーも搭載している。通常のWebカメラで顔認証を行うPCもあるが、通常のWebカメラでは顔写真などに騙されてしまいやすい。
dynabook V82の顔認証センサーは、赤外線を照射して赤外線センサーで認証するため、写真や絵には騙されにくい。また、暗い場所でも顔認証が可能というメリットがある。実際に試してみたが、認証速度も非常に速く、パスワードなしでログインするのとほぼ同じ感覚でWindowsにログインできるので快適だ。指紋認証センサーとあわせて、高いセキュリティを確保できるので、重要なデータを扱うビジネス用途にも最適だ。
Thunderbolt 3をサポートし、各種ポートを備えたUSB Type-Cアダプターが付属
薄型化を重視したため、本体装備のインターフェースは、USB 3.0とThunderbolt 3兼USB 3.1 Type-C、マイク/ヘッドホンと必要最小限のものとなっているが、最近の2in1では、USB 3.1 Type-Cしか用意されていないものも増えている中、通常サイズのUSB 3.0ポートを備えていることは評価できる。
なお、Thunderbolt 3兼USB 3.1 Type-Cは、電源コネクタの役割も兼ねている。
さらに、標準でUSB Type-Cアダプターが付属していることも嬉しい。USB Type-Cアダプターには、HDMI出力とアナログRGB、USB 3.0、有線LANの各端子が用意されているほか、ACアダプター接続用のUSB 3.1 Type-C端子も用意されているので、ACアダプターから給電を行いながら、USB Type-Cアダプターを利用できる。オフィスのデスクでdynabook Vをメインマシンとして使う場合などに便利だ。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.1をサポートしている。
公称約17時間もの長時間駆動を実現
ACアダプターはコンパクトで軽く、携帯にも便利だ。また、省電力技術にも磨きがかかっており、最大約17時間もの長時間駆動が可能である。バッテリーベンチマークテストの「BBench」を利用して、無線LAN経由で1分ごとにWebアクセス、10秒ごとにキー入力を行う設定で駆動時間を計測したところ(液晶の輝度は50%、電源プランは「バランス」)、11時間29分の駆動が可能であった。無線LAN常時有効で、実測で11時間以上も持つのはかなり優秀だ。移動中に使うことが多い人にもお勧めだ。
さらに、急速充電をサポートしており、わずか約30分間で約7時間の駆動が可能な容量を充電できる「お急ぎ30分チャージ」の搭載も高く評価できる。15分間でも約3.5時間のバッテリー駆動分を充電可能であり、出かける前に充電を忘れていた場合や会議などの合間にも素早く充電できるのはありがたい。