楽しいエンターテイメントを体験しながらGoogleサービスを使い倒す
10ヵ国から一同に会した参加者は、デジタルスキルはあるものの、日常利用頻度は各々の国の交通機関の発達、利便性などによって異なる。また英語圏の参加者は、特別な機会がないかぎりアジア各国の言語に翻訳をする逼迫性もないだろう。
そんな異なる背景をもった人々に、自社サービスを体験し、波及させる方法とは?ーーグーグルが今回のイベントのために導き出した回答の一つが、「金沢に人を集めてサービスを体験してもらう」というものだ。
SlaimanさんとKateさんはオーストラリア在住のユーチューバー。2015年3月に配信を開始したばかりというが、フォロワー数はなんと94万人強!
これまで新サービスの発表は、テクノロジー専門の記者を集めた発表会で披露してきた。しかしグーグルの各種サービスは、「旅行」と親和性がとても高い。ならばと、参加者に旅先で各種サービスを実際に「体験する」シチュエーションを作り、その使用感を身をもって体感してもらおう、という試みなのだ。
また今回のGoogle アドベンチャーの参加者は時代を反映した、ユニークなメンバーたちで構成されていた。個々の参加者の人選については、国ごとのグーグル担当者に委ねられていたというが、一番の選出基準が「情報波及効果が高い人物」。
その代表例が100万弱、数十万のフォロワーを持つユーチューバーたちだ。もちろん、テレビや新聞、雑誌、ウェブなどのメディア関係者も招待されていたが、参加者の大半を占めていたのがユーチューバーやブロガーであった。
現在、インドネシア在住で韓国人のHan Yoo Raさんは、ファッション、ライフスタイル、ビューティのビデオブログが人気。彼女はイベント中に金沢城公園から、YouTubeで生配信をしていた
アドベンチャー開催中、彼らは要所々々、まるで息をするかのようなタイミングで、YouTube用の動画を撮影し、InstagramやFacebook、Twitterにガンガンとハッシュタグ付きで投稿していた。
「僕たちは東京に滞在するのかと思ってた」という阿神さんは、旅の様子を感動いっぱいに紹介
彼らが発信する情報に対してグーグルからの要求はただひとつ、#GoogleAdventureというハッシュタグを付けてほしい、というもの。もちろん、投稿は今でもそれぞれのサービス上で観覧可能で、参加者がいかに金沢を満喫しているかを見て取ることができる。
ドイツのファッションデザイナーのMelissaさんは、ボーイフレンドでトラベルブログの編集兼フォトグラファーのCaroさんと一緒に来日。カップルの参加者も多く、どちらかが撮影を担当し、もう一方がリポーターを務めるパターンが基本だったが、もちろん自撮りも
各国選りすぐりの情報波及効果が高い人物、つまりインフルエンサーが集結したことで、新しい交流やアイデアが生まれ、参加者自身にもたらした効果もただならぬものであっただろう。
台湾からはユーチューバーだけではなく、TV局の記者も参加。三立新聞網の黃 郁棋さんのレポート。各参加者の動画は、それぞれの視点でGoogle Adventureを紹介していて、見比べるのも楽しい
ではなぜ、参加者として日本のメディアやインフルエンサーが選ばれなかったのか? グーグル曰く「日本に住んでいる人だと、日本語が読め、地の利があるので「グーグルのサービスを使って見知らぬ土地でサバイブする、といった企画に適合しなかった」という。
そのため、日本からのGoogleアドベンチャーの情報発信は、東京から同行したASCIIと金沢を中心とした地元のメディアのみであった。開催地は日本ながら、世界を見据えた大規模なイベントは参加者が大いに楽しみながら終了した。