人々が利用する習慣すらない新しいサービスやアプリを開発し発表する場合、どのような手段を取ればより、多くの人に広めることができるのか?
グーグルが、日本・金沢を舞台に開催した新アプリやサービスの体験会が、とても楽しくてユニークであった。ASCIIは日本のメディアとして東京から唯一同行したので、その模様をレポートする。
目的地は謎、グーグル主催のミステリーツアー
朝9時、東京・六本木にあるグーグルのカンファレンスルームは、ヨーロッパやアジアから集まった人々で定員いっぱい。訪問者は、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インド、インドネシア、韓国、香港、中国から60名近くが集まったという。
会場ではグーグル アジア太平洋地域製品広報担当部長のデーヴィッド マークスさんが、同社サービスの新バージョンに追加された機能や知っていると便宜な使い方を披露。
特に東京の交通機関は電車、バス、タクシーなど選択権も多く、運行間隔も短くて素晴らしいが、旅行者の立場になると、路線が多く複雑である。そこでグーグルの各種サービスを使いこなすことで、より快適に旅行を楽しんでほしいとデモを交えて紹介した。
突然、グーグルから提示されたアドベンチャーとは?
マークスさんのプレゼンの後、参加者は四方が鏡で囲まれた部屋に案内された。そこはまるでアミューズメントパークの中にいるような不思議な空間。突然、壁にアニメーションが映し出され、金沢の大名が東京にいた将軍に氷を献上したストーリーが流れた!
その後、部屋の外でグーグルのスタッフから渡されたナップザックに入っていた封筒を開けると……、そうアドベンチャーの内容が記載されていたのだ。
「All aboard for Tokyo Station(東京駅からご乗車ください)」と書かれたカードには、東京駅をよく利用する人にとっては「ニヤリ」としてしまう写真が添えられていた。参加者たちは、ここで「自分たちの目的地は金沢」だということを知る。初めて日本に来た参加者も多い中、問答無用で「Suicaを使って電車で東京駅に行くように」という記載。
つまり、Suicaが何を指すものかわからない参加者は、まずのカードに出てきたSuicaをGoogle検索することから、旅が始まるという趣向なのだ。
ミッションが記載されたシートや参加者に配られたナップザックは、すべてこの日のためにグーグルスタッフが中心になって集めたモノ。もちろん、ナップザックにキットを収める作業もグーグルの有志によるもの。
人によって、グーグルは「なんだかわからない、謎のハイテク集団で、オフィスの食事は無料!」というイメージかも知れないが、中の人たちはものすご〜く人間味のあり、俗にいう20%枠で行われる活動は手弁当で行われていたりする。