このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

ついに3万円台から可能に! 4K BD再生環境構築 第1回

驚きの品薄状態が続く「Xbox One S」の目玉である4K UHD BDを解説!

2016年12月12日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

手持ちのディスプレイでも再生は可能
UHD BD本来の画質を再現できるのはHDR対応の4Kテレビ

パナソニックの「DX950」

パナソニックの「DX950」

 次いで必要なのは4Kテレビ。UHD BD本来の実力を楽しむためには、HDR対応の4Kテレビが必要だが、現在ほとんどのモデルがHDRに対応している。このため、1年以内に4Kテレビに買い換えた人や、これから買い換えを考えている人ならば、HDR対応はあまり心配しなくていい。

 とはいえ、各社でも最普及価格の4KテレビはHDR非対応だったりするので、最安価格を基準に製品を選ぶ時はHDR対応を確かめよう。残念ながら、フルHDテレビなどの2Kの薄型テレビにHDR対応機は存在せず、今後の発売予定もない。

 悩ましいのは、一言でHDR対応といっても、発売されているHDR対応機でも価格にはかなりの差があること。

 高級機やハイエンド機になるほど同じ4K+HDRの映像でも画質がよくなり、特にHDRの高輝度表示は、表示する4Kテレビのパネル性能(ダイナミックレンジ)や映像処理エンジンの実力と直結するので、価格による差はかなり大きいというのが筆者の印象だ。

 UHD BDに対応するテレビとしての選択の基準のひとつになるのが「ULTRA HD PREMIUM」という国際認証。これはコンテンツを制作するハリウッドの映画業界や関連メーカーが中心となって策定したもの。つまり、ULTRA HD PREMIUMロゴがあるモデルならば、UHD BDを最高の状態で楽しめると考えていい。

 ULTRA HD PREMIUMの認証を取得したモデルは、パナソニックの「TH-65DX950」(実売価格 77万5000円前後)と「TH-58DX950」(同47万円前後)の2モデルのみ。同社のハイエンドモデルだ。

LGの有機ELテレビ「OLED 77G6P」

LGの有機ELテレビ「OLED 77G6P」

 このほかに、LGの有機ELテレビとして「OLED 77G6P」(323万7840円)、「OLED 65E6P」(88万8000円)、「OLED 55E6P」(57万8000円)、「OLED 55C6P」(43万1620円)、「OLED 65B6P」(69万6360円)、「OLED 55B6P」(37万5840円)の合計6モデルがある。いずれも基本的には高価なモデルとなってしまうが、UHD BDの画質を最高の状態で楽しむならば、これらを頼りにしよう。

 なお、ULTRA HD PREMIUMの認証を得るかどうかは、テレビメーカーの自由だ。だから、認証を得られる実力を持ってはいるが、実際には認証を得ていないモデルもある。

 具体的には言えばソニーや東芝の現行モデルではULTRA HD PREMIUMの認証を取得していない。これは必ずしも実力が足りないというわけではない。

 UHD BDは夏に発売がスタートしたばかりで、これらの実力をフルに発揮できる実力を持ったテレビが限られるのは現状では仕方がないところ。本音を言えば、来春発売の新モデルの登場を待っても遅くはないし、賢い選択だと思う。

フルHDテレビでも映像表示はできる

 UHD BDプレーヤーは規格上、多くのディスプレーと接続できるように作られている。HDMIの機能を利用し、テレビのスペックなどを把握し、それに合わせて最適な映像を出力するのだ。

 そのため、HDMI入力端子を備えたテレビであればほとんどの場合、UHD BDの再生をすることができる。これは互換性を保つためのもの。

 例えば、HDRに対応していない4Kテレビと接続すると、解像度は4Kのまま、HDR信号は従来の輝度信号の規格に合わせたSDR信号に変換して出力される。つまり、解像度だけは4Kだが、色と輝度は従来の映像と同じ品質だ。

 フルHD解像度の薄型テレビの場合は、解像度が2Kにダウンコンバートされ、SDR信号に変換される。だから、従来のフルHDテレビでも視聴はできるのだが、HDRに対応した4Kテレビでないと本来の画質が楽しめない。

 ちなみに、筆者が自宅で使っている4KプロジェクターはHDRに対応していないので、自宅では4K+SDRにダウンコンバートされた映像でUHD BDを見ている。

 もちろん、HDR対応のディスプレーで見たときとの差はあるのだが、UHD BDらしいよさも感じることはできているので安心してほしい。要するに4Kの解像度だが、転送レートが高いこともあり、BDの映像を4K化して見るのと比べても非常に高精細だ。

 HDR対応の4Kディスプレーに買い換えた方がいいのは間違いないが、ディスプレーの買い換えは費用も手間もなかなか大変なので、それを待つ間もUHD BDタイトルと対応プレーヤーだけ手に入れて、UHD BDを楽しむ方がいいというのが筆者の考えだ。

次回は4K BD対応のレコーダーをチェック!

 さて次回は、いよいよUHD BDの画質について詳しく紹介していこう。先ほどの紹介したパナソニックの「ULTRA HD PREMIUM」認証取得モデルの「TH-58DX950」と「DMR-UBZ2020」を使って画質の実力を詳しくチェックしていく。

タイトル数も着実に増え、年末にはアニメ作品も発売されるUHD BDの映像が気になっている人は必見だ。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中