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ビッグデータ分析と同時に扱いの難しい個人情報、有用性と匿名性を両立させる新手法

KDDI研究所、世界初の新手法による匿名化加工情報作成ツール

2016年09月30日 16時27分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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従来の匿名化(上)と、新たに開発したツールによる匿名化(下)

 KDDI研究所は9月29日、個人データの安全性を考慮した匿名加工情報作成ツールを開発したと発表した。

 事業者がユーザーの個人情報を含む各種データを取り扱う際、安全性を確保するためにデータを匿名化する情報加工が行われている。現行では、同様のデータを持つ集団をまとめて個人を特定できないようにする「k-匿名化」、ノイズ付与、ランダムサンプリングなどの手法が一般的に求められているが、匿名性を高く設定すれば必要なデータを取り出しにくくなることもある。

匿名化の基本的な考え方は「東京」を「関東」に、さらに匿名化するならば「東日本」にするなど汎化(あいまいなデータに変換)

 KDDI研究所では、データセットの特徴を抽出して指標間の関係性をモデル化することにより、データの有用性を損なうことなく別々の手法を組み合わせることを可能としている。データ生成時には匿名性リスクについて多面的な評価を行なって可視化したレポートを出力するため、匿名加工情報が持つ安全性を確認できる。

開発されたツールは、匿名化するデータを解析して汎化によって生じるリスクを可視化、匿名化する部分を選択することができる 

 KDDI研究所では、今回開発したツールを社内外で実証実験し、匿名化手法の最適化を検討。加工や評価をクラウドで行なうなどして高速化を図り実用化に向けて技術開発を行なうとしている。

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