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JAWS-UG中部・北陸勉強会レポート 第9回

JAWS Festaで実施予定のハンズオンも先取り体験したぞ

サーバーレス事例たっぷりのJAWS-UG東海道 in 浜松

2016年09月26日 07時00分更新

文● 重森大 編集●大谷イビサ

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ハンズオンを支えるKYOSOが見せるIoTへの本気の取り組み

 この日最後に用意されていたのは、JAWS FESTA東海道で開催予定のIoTハンズオンを、少しだけ先取り体験できるというセッション。実際に触れる機材を提供してくれたのはKYOSO。ハンズオンに先立って同社の辻 一郎さんが壇上に立ち、IoTへの取り組みやKYOSOが提供するサービスについて紹介が行なわれた。

「IoTは、やらなきゃいけないことが多い分野です。プロトタイピングの段階から、デバイス、通信、クラウドのすべて揃っていなければなりません。しかしクラウドの人は画面の中で完結するのが当たり前で、実際のモノに触れることに慣れていないことが多いので苦労があると思います」(辻さん)

KYOSO 辻 一郎さん

 IoTはInternet of Thingsの略であり、Thingがなければ成り立たない。しかしデバイスが得意な人とクラウドが得意な人とは必ずしも一致しない。そこで京都に本社を持つKYOSOは、IoTを軸にして関西のいくつかのユーザーコミュニティを結びつけてみたという。

「実際に協力してもらったのは、デバイスに強い関西おうちハック、通信に強いSORACOM-UG関西、クラウド技術に長けたJAWS-UG、kintone Caféのみなさんです。それぞれの得意な分野をつなぎ合わせることで、デバイスを用意するところからデータを可視化するところまで一連の流れを体験できるイベントを実施できました」(辻さん)

IoTの各要素技術に強いコミュニティを結んでみた

 イベントは日本橋にRaspberryPiを買いに行くところからスタートして、OSをセットアップし、SORACOM Airでネットに接続してMQTT通信を行ない、クラウドにデータを蓄積して可視化するところまで一気通貫で体験できるものになったそうだ。各ステップをそれぞれの分野に強いユーザーコミュニティがサポートしてくれるので、みな楽しみながらIoTの実体験ができたという。

「特別編として親子ハンズオンも開催し、そちらでは小さい扇風機やLEDライトを作りました。このイベントは生活デザインコンテストの最優秀賞を受賞しています」(辻さん)

 IoTの一連の流れをすべて見ることができる立場のKYOSOとしては、収集したデータのの可視化が一番大変なポイントだと考えた。AWSではKibanaなどの分析機能が用意されているが、それらを使っても求めるデータを見やすい形で可視化するのは手間がかかる。

「手間がかかるということはビジネスになるに違いないと考え、とりあえずDynamoDBにデータを突っ込んでおけばグラフ化してくれるという機能を作ってリリースしました。IoT.Kyotoというサービス名は、そのままサービスURLにもなっています。扱えるデータ量は無制限で、しかも無料です」(辻さん)

 無料で提供してビジネスになるのかどうかは謎だが、KYOSOがIoTに本気で取り組んでいるのは間違いないようだ。IoT.Kyotoにかける情熱は暴走気味なほど熱い。

「グラフ化されれば便利ではあるけれど、いかんせん地味です。それを補うために、いおたんという萌えキャラを作りました。さらに勢い余っていおたんクリアファイルといおたんTシャツも作ってしまいました」(辻さん)

IoT.Kyotoのもえキャラ「いおたん」(左)

そのグッズ類(右)

 

 熱い。火傷しそうに熱い。Internet of ThingのThing部分だけに注力してしまっているうえに、方向性が斜め上に向いてしまっている。しかし筆者はうかつにも「このTシャツ欲しい」と思ってしまった。この時点で筆者の敗北は決まったようなものだが(何に対しての敗北なのかはわからないが)、KYOSOの暴走はこれにとどまらない。

「IoTを実体験してもらえるよう、身長2メートルの動くいおたんも作りました。新キャラであるおうたんに呼びかけると、2メートルのいおたんが振り向いたり返事をしたりしてくれます」(辻さん)

 なんと斜め上方向に走って行ったKYOSOは一周してIoTに戻ってきた。センシングデバイスを内蔵したおうたん人形に向かって呼びかけると、通信を経てデータが伝わり、身長2メートルのいおたんが振り向いてくれるのだ。このシステムはイベントで展示され、ちびっ子達に人気を博したとのこと。子供にもわかるIoT展示を実現するとは、侮りがたし、いおたん。

身長2メートルのいおたんと、それに群がる子どもたち

 辻氏からいおたんに関する熱いプレゼンを受けたのち、RaspberryPiとブレッドボードを使って照度計を作るハンズオンが実施された。この日のハンズオンは時間の制約もありセットアップ済みのRaspberryPiを使って行なわれたが、JAWS FESTA東海道では1日がかりでRaspberryPiを組み立てるところからデータの可視化まで全行程を体験できるハンズオンが予定されている。IoTに興味があるけどThingの部分に自信のない方や、RaspberryPiに触れてみたい方は、10月22日に名古屋で開催されるJAWS FESTA東海道に今すぐ参加登録するとよいだろう。

10月22日(土)、「JAWS Festa 東海道 2016」が開催!

 

10月22日、AWSのユーザーグループであるJAWS-UGが主催する大型コミュニティイベントであるJAWS Festaが今年は名古屋工業大学で開催される。今年のテーマは「クラウド・IoTの最前線、みんなで学べば怖くない!〜一緒に熱くなれる仲間を見つけよう〜」ということで、学ぶだけのセミナー形式勉強会にならない多彩な企画が用意されているという。

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