米航空宇宙局(NASA)は9月15日、宇宙を探査する解析技術をがん研究所と共同開発していると発表した。
これは9月6日にNASAのジェット推進研究所(JPL)と、米国立衛生研究所のがん研究部門とパートナーシップを結び、ビッグデータ解析に用いる機械学習技術を共同で開発するというもの。NASAの宇宙望遠鏡などが撮影する画像から銀河や星雲、ガスやチリの流れなどの天体現象を取り出す技術は、CTスキャナの画像から悪性腫瘍を特定する読影技術に近いところにあり、多量の天体画像や診断画像から特徴となる部分を取り出すのはビッグデータ解析による機械学習技術にほかならない。
共同開発を開始するがん早期発見研究ネットワーク(EDRN)とは従来にもJPLと共同研究を行なった経緯があり、開発された医療用マーカーは世界中で利用されている。NASAでは、宇宙の天体研究と生物研究を共同で行ないうことで、双方の科学者が見逃すことのある事実を発見してくれる人工知能技術に期待しているという。