インスタントカメラやモバイルプリンターで写真プリントを楽しむ提案をしてきた本特集だが、気軽にプリントを楽しむためのカメラがもう1つある。「レンズ付きフィルム」だ。
カメラを用意していなくても出先で購入可能なので必要なときに買えば済む上、撮り終わったら丸々現像に出すため印刷などの手間がない。
最近では富士フイルムの「写ルンです」がもっとも有名で、あまり銀塩フィルムになじみのない若者世代に人気を博しているというが、果たしてコスト的には安いのだろうか?
あまり写真を撮らないなら「写ルンです」は安い
現在はスタンダートな「写ルンです シンプルエース」が27枚撮り(734円)と39枚撮り(842円)の2種、ISO 1600の高感度フィルムを採用する「写ルンです1600 Hi・Speed」が27枚撮り(950円)と39枚撮り(1058円)の2種、ISO 800のフィルムと水中ハウジングを採用した「水に強い写ルンです New Waterproof」(1760円)の3種類が発売されている(価格はいずれも富士フイルムのネットショップ価格)、
ネガフィルムなら手軽にプリント状態で見られるようにすることが可能だ。また最近は現像時にCDにスキャンデータを焼いてくれるサービスもあるので、後々PCで取り込んでスマホに転送したりすればデータとしても活用できる。
なお、スキャンデータの解像度は200万画素相当が多いのでフルHD(1920×1080ドット)のモニターならほぼ100%での表示が可能だが、いざデータからプリントをするとなると350dpiで約13×7cmになるので、ほぼL版程度の大きさに対応できる解像度でしかない。
店によっては600万画素相当のスキャンが可能な所もあるので、大事な写真なら高解像度でスキャンしてくれる所か、ネガからプリントしたほうがきれいな写真が得られるだろう。
しかし、手軽さならネガの同時プリントはかなり便利なサービスだ。
ネガフィルムの同時現像なら、早い店だと店頭持ち込みで1時間かからない場合もある。CDへのスキャンデータ焼きこみは早い場合は同時プリント+1時間弱程度で可能な場合もあれば、数日から一週間くらいかかる場合が多いようなので注意が必要。なお、CD作成には500円程度かかるようだ。
ところで、ネガ現像と同時プリントのコストはどのくらいなのか、銀塩フィルムの絶頂期には1枚あたり10円くらいのところも見かけたがデジカメ全盛期の今では銀塩フィルムを使ってプリントする人も少なく、コストはそれなりにかかるようだ。
調べた感じでは、現像代に約400~600円くらい、プリント代はL版で1枚あたり35~40円程度が多かった。仕上がりが早い店ほど値段は高くなるようだ。
今回試しに27枚撮りのレンズ付きフィルムを同時プリントに出した所、現像+プリント代で1647円(税込み)だった。27枚撮りの「写ルンです シンプルエース」は734円するので合計は2381円。現像代込みで1枚のプリントあたり88円かかっていることになる。
さて、前回紹介した「チェキ」と「ポラロイド」だが、チェキ用のinstaxフィルムが富士フイルムのネット直販で10枚入りが792円。ポラロイドのZinkPaperがソフトバンク セレクションのネット販売で20枚入りが1728円となっている。
それぞれ1枚あたりの単価は79.2円、86.4円なので、若干レンズ付きフィルムを現像するよりも安い計算になる。ただし、プリンター本体の価格、「スマホ de チェキinstax SHARE SP-2」が2万2410円。「Polaroid ZIP Mobile Printer」が1万8792円かかっているので、トータルで考えると1万枚近く印刷しなければモバイルプリンターは若干レンズ付きフィルムに勝てない計算となる。
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