メッセージは無制限、無期限で保存
−−大手キャリアの留守番電話サービスはメッセージの保存件数、保存期間が限られている一方で、スマート留守電はいずれも無期限、無制限で利用できます。にもかかわらず月額利用料金は同程度。なぜこの仕様にしたのですか?
川竹「はじめは『テキストは無期限で保存するけど、音声は1年保持にしようか』『音声は無期限にして、テキストは一定期間で消そうか』なども考えましたが、表にしたときにわかりにくいですし、アピールポイントにもなるので、どちらも無制限に決めました。保存期限はあらかじめ明示しておいて、リリースしてから一定期間で消去する仕組みを実装しようか……とも考えましたが、無制限で困るということはないので。(UIは)メーラーに近いので、突然アーカイブが消え始めるとユーザー様も変な感じがするんじゃないかな? と思ったのも無期限にした理由のひとつです」
−−これ、留守電がいったんソースネクストのサーバーへ転送されて、音声認識エンジンを経て、テキストファイルに変換されて、サーバーからユーザーに送信される、という仕組みですよね?
川竹「そうです。音声認識エンジンはニュアンスコミュニケーションズさんのものを使っています」
−−音声データやテキストデータは、ユーザーが取得したあと、ユーザーのローカルに移るんですか?
川竹「いえ、ソースネクストのサーバーで無期限に保存します。端末側で消去するとサーバーからも消去されますが、消さない限りはどんどんリストになって溜まっていきます」
−−ユーザーがどんどん増加していくと、サーバーの管理だけでも、ものすごいコストになるのでは……。
川竹「そこは、企業努力ですね(笑)! ユーザー様からいただく月額利用料金でカバーできると思っています。それから長期的には、おそらくユーザー数増加のスピードは、ストレージの値下がりのペースでカバーできるのではないか。そう考えました」
課題は、サービス乗り換えへの心理的ハードル
ーー月額利用料金は同程度、無期限、無制限、しかもテキストに変換してくれるとなると、キャリア純正の留守番電話サービスに対して圧倒的に付加価値が大きいですよね。
川竹「スマート留守電を選んでくださると嬉しいですね。ただ、MVNOさんの提供している格安SIMを例にとると、すこし下調べすると、毎月の通信料が大幅に抑えられる可能性はあるのに、スマートフォンユーザー全員が格安SIMに切り替えてはいないですよね。現状使っていて、特に不満を感じていないサービスをほかのサービスに切り替えるには、かなり高い心理的なハードルがあると思うんです」
−−確かに。
川竹「そこで、今後はMVNO業者さんとも提携して、量販店さんの方で契約時のオプションとして紹介していただく予定なんです」
−−あ、契約時だったら、比べてこっち選びますよね。というか、普通の留守電が300円、スマート留守電が500円くらいだったら、たぶんスマート留守電選びます。
川竹「実際には普通の留守電が300円、スマート留守電も300円(iOS360円/Android318円※)です(笑)。しかも、キャリアさんの留守番電話サービスの契約なしで使えます」
※App Storeを通じて提供するサービスは、価格を300円に設定できないため、iOS版は360円という価格設定になったとのこと。−−キャリアと提携して、純正オプションとして提供するというのはどうですか。
川竹「そうですね。そういうお話がいただけるのなら、それはいいことだと思うのですが、そうなったとしても、ユーザー様から毎月お支払いいただく金額はそれほど変わらないんじゃないかな、とも思っています。なので、ユーザー様の利益に直接つながることではないかな、と。格安SIMだと、業者さんによってはそもそも留守番電話サービスを設けていらっしゃらないところもあるので、ぜひ組み合わせて使っていただきたいですね」