おもちゃの展示会「東京おもちゃショー2016」が、9日から東京ビッグサイト西1~4ホールで開催中だ。入場無料。新しいおもちゃのすべてがわかる。
プラレールがダブルカメラ搭載
今年のトレンドはハイテクおもちゃ。日本おもちゃ大賞イノベイティブ・トイ部門 大賞に選ばれたのは、タカラトミーの「プラレール スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」だ。価格1万2960円、2016年10月中旬発売。
運転席・車窓に2つのカメラを搭載するプラレール。スマートフォンとBluetooth接続、映像を見られて動画として録画もできる。車窓にカメラを搭載し、テレビではなくスマホに動画を出せるようになったのはプラレール初だ。
スピードを調整したり、バックをさせたりといった操作もできる。今年4月発売の「ぼくが運転!マスコン北海道新幹線はやぶさ」と連動し、マスコンにスマホをセットしてのレバー操作もできる。お父さん大喜びだ。
アプリで調整といえばノバルスのBluetooth乾電池ケース「Mabeee」がおもしろい。プラレールやミニ四駆に装着するとスマートフォンアプリから動かせるようになる。タイマーで時間にしたがって動かしたり止めたりできる。
5378円で6月30日発売予定。クラウドファンディングMakuakeで資金調達をしていたスタートアップのおもちゃで、じつはアスキーのセミナーにも出展してもらっていた。おもちゃショーでスタートアップの姿が見られるとは感慨深い。
メガハウスとタカラトミーがVR対決
ハイテクトイで印象に残るのはやはりVRおもちゃ。1つ目はメガハウスのスマートフォンを使ったVRデバイス「BotsNew VR」(ボッツニューVR)。9250円で8月下旬発売予定。小林製薬のようなネーミングがいい。
ARマーカーを使った「ボッツニューコントローラー」を指にはさみ、簡単なジェスチャー操作ができる。シューティングゲームや「からあげキャッチ」という謎のゲームなどが楽しめる。子供向けなのでエッチなゲームはできない。
タカラトミーもついにスマホVRに参入する。「JOY!VR 宇宙の旅人」だ。価格未定。2016年冬発売予定。ジョイスティック型コントローラーで宇宙を探検できるというもの。おもちゃショー会場では長い行列ができていた。
コンテンツは銀河系までの宇宙旅行を体感できる「宇宙ツアー」、月や火星などに降り立ち探索できる「惑星探査」、地球周回軌道上をただよう「宇宙遊泳」などで、どちらかというと教育的だ。バシュバシュ撃てるほうも期待したい。
いもむし型プログラミングロボットが面白い
VRがあればドローンもある。注目を集めていたのはシー・シー・ピーの「ラジオコントロール ナノドローンカメラ」だ。8618円で発売中。全幅44mmの超小型サイズでカメラ付き。30万画素の動画を撮影し、microSDカードに記録できる。
おなじくシー・シー・ピーの水中ラジコン「赤外線コントロール潜水艦 サブマリナーカメラ」も面白い。30万画素の動画を約5分撮影できて観賞魚用のエサを入れるアームもついている。ハイテクトイの典型という印象。どこで使おうかな。
ロボットとしては、タカラトミーの「Omnibot」(オムニボット)シリーズ猫型の「ハロー!ウ~ニャン」がかわいい。1万9440円で発売中。なでると喜ぶ。同じシリーズには恐竜やダルメシアンなどがある。恐竜は素早くて怖い。
タカラトミーはほかにも「OHaNAS」(オハナス)「MECCANOID」(メカノイド)などを売っていて、ギャグを言うロボット時計「爆☆笑太郎」はおもちゃ大賞2016コミュニケーション・トイ部門優秀賞を獲得している。
なんでソニーはAIBOを手放してしまったんだろうなあ。
教育用ロボットもある。フィッシャープライスのいもむしロボット「プログラミング・ロボ コード・A・ピラー」だ。7452円で9月発売予定。
頭と節ごとに分かれた胴体をUSB接続して動かすもので、胴体は前進・右折などそれぞれ別の動作パターンを備える。胴体の前から順に動作を実行していくことでプログラミングの仕組みを理解してもらうというものだ。
JavaやPerlを打つわけでもなく、ビジュアルプログラミングアプリを使うわけでもない。コード・A・ピラーで学んだあと、ソニー「MESH」のようなビジュアルプログラミング系のツールに興味をもってもらえると面白そうだ。
RFIDタグで「レリーズ」ほえぇ~~
ハイテク技術はコモディティ化しており、昔ながらのおもちゃも高性能化する時代だ。たとえばタカラトミーの「カードキャプターさくら」再現おもちゃ「封印の杖&クロウカード」。9180円、2016年9月発売予定。
封印の杖とクロウカードがRFIDタグで連動し、杖でカードにタッチするとアニメさながらの音声が流れる。お父さん・お母さんがコスプレしてポーズをとればさまざまなものがレリーズ(封印解除)されるだろう。
バンダイ「ウルトラマンオーブ DX オーブリング」、タカラトミー「カミワザワンダKW-01カミワザショット」などもNFC(近距離無線通信)カードを使っている。最新テクノロジーがおもちゃを変えていく。
非ハイテク分野で目立ったのは本格派だ。
S.H.MonsterArtsの「シン・ゴジラ」フィギュアは1万2960円で2016年11月発売。溶岩をイメージした色艶がぬめりを帯びていて美しい。シワの1つ1つまで精巧にできている。1万円を超える値段も大人なら納得だ。
ちなみにゴジラをエヴァ初号機カラーにペイントした「ゴジラ feat.EVA-01」というのもある。9936円で2017年1月発売。
マルシンのガスガンも精巧な作りで目を引く。「FN Five-seveN」(2万7000円)は、フロンガスではなく炭酸ガスを使ったガスブローバックガン。新製品というわけではないがとてもほしい。なおサプレッサー付きもある。
女子は実用志向 リリアン編みブームかな?
女の子向けおもちゃのトレンドは「実用」。アガツマの編み物おもちゃ「ラブあみ」は2700円で8月発売。ピンに毛糸をかけ、編み針ですくって外していくだけで、あみぐるみやハンドバッグ、マフラーのような編み物ができる。
タカラトミーアーツは流行りの勲章型アクセサリー・ロゼットがつくれる「ロゼットメイク」(4104円)を発売中。同社によればハンドメイド女子が増えているらしい。そのうちMinneやメルカリで売るようになるんだろうか。
個人的に気になったのはショウワノートのダンボール甲冑「着れちゃうダンボール(真田幸村編 / 伊達政宗編)」(2678円で発売中)。文具メーカーがコスプレ用品を作っているとは。意外と精巧なつくりでテンションが上がる。
大人用・子供用のサイズがあるので親子でコスプレ可能。親子で真田丸プレイが楽しそうだ。
文具といえばパイロットインキの定番人気ドール「メルちゃん」シリーズが好調だ。昨年度の抱き人形市場は昨対150.3%で売上を伸ばしている。妹キャラ、おともだちキャラなどを増やしたことも好調要因だとか。
また親子そろって愛好家が多いのも特徴で「待ってた」「今までのものは全部持っている」というコアなファンも少なくないそう。今年はハローキティきせかえセット(2000円、7月発売)などがコレクターズアイテムになりそうだ。
最後にわたしがいちばんほしかったものを紹介。
バンダイ「新感描スケッチ マジカルイラストレーター」(5742円、発売中)だ。メガネをのぞくと手元に絵が重なって見え、簡単にトレスできる。おなじ原理で絵だけでなく風景もトレスができる画期的製品だ。
イラストや水彩画をやってみようと思っている大人にもいいのではないか。会社の帰り、家電量販店のおもちゃ売り場に行こうと思う。
東京おもちゃショー2016の会期は2016年6月9日(木)~12日(日)の4日間。11~12日の2日間は一般人も楽しめる一般公開日だ。入場料は無料。週末は子供を連れて、あるいは大人だけで、夢の世界へ遊びに行こう。
東京おもちゃショー2016
INTERNATIONAL TOKYO TOY SHOW 2016
一般公開
2016年6月11日(土)
9:00~17:00
2016年6月12日(日)
9:00~16:00
会場:
東京ビッグサイト 西1~4ホール
東京都江東区有明 3-11-1
http://www.toys.or.jp/toyshow/
盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、記者自由型。戦う人が好き。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。
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