日本のITを変える「AWS侍」に聞く 第21回
情シスもメディアもクラウドコミュニティに巻き込み中
IT業界のデストロイヤー長谷川秀樹さんとJAWS DAYSで語る
2016年06月01日 15時00分更新
ずっと帳票作っているエンタープライズITの人たちへ
大谷:で、最後に長谷川の野望を聞きたいなあと。ユーザー情シスやSIerはおかしいみたいなセミナーやったり、日経BPで連載やったりしているので、日本のIT業界変えようという熱い意気込みもあるのかなと。
長谷川:うーん。それはないね。でも一点気になってるのは、Webやゲームの人たちは楽しくやってるけど、エンタープライズITの人って、ずっと帳票作らされているわけ。COBOLに始まり、今やAWSに移っても帳票ばっかり作ってる。で、そこで数字が違うだの、レイアウトが違うだの、ずっと言われてる。ビジネスSIのほとんどはこのつまらない仕事。
大谷:もう帳票は作りたくないと。
長谷川:そうそう。帳票作りたくなーい。おまけに、「システムが経営に不可欠」とか、「システムが業績を上げる」とか、この20年間ずーっと嘘つきの業界。だって、システム入れても、売り上げも利益も上がらないんだもん。
大谷:(笑)。
長谷川:今までは人間ができることを、コンピューターで代替させてきただけ。だって、人間ができることは、Excelでもできるでしょ。でも、これからやらなきゃいけないのは、人間ができなかったこと。センサーやドローン、AIなどいろいろ出てきてる。
大谷:そういったのも含めて、大きなIoTの潮流が来てますよね。
長谷川:たとえば、うちのグループのフィットネスクラブはタブレットで写真撮って会員登録するんだけど、そんなんやったら受付でかわいいロボットが「長谷川さん、おはようございーまーす」って言って、チェックインできるようにしたらええやん。人間は全員の顔覚えられへんけど、機械だったら1万人でも覚えられる。そういう単純なところから始めればいいわけ。
大谷:東急ハンズさんも含め、小売や流通は、これからインバウンドビジネスの時代ですからね。
長谷川:あとは警備とかも、泥棒のところに人を差し向けて、怖い目にあったらいやじゃん。だったら、ロボットに録画させて、追いかけさせたらええやん。どうせ人間が見たって、「痴漢はサメのかぶりもの付けた170cmくらいの男性でした」とか、あいまいなことしか覚えてないんだし。
大谷:あいまいどころか、完全に私だと断定してますね(笑)。
長谷川:でも、機械なら暗いところでもサメのかぶりもの付けた男性を録画できるでしょ。そういう人間にできないところに突っ込んでいくのが、われわれの仕事。そういう方向に舵切ってるところやね。
大谷:ありがとうございます。で、今日もこれから登壇するんですよね。どんなネタするんでしたっけ?
長谷川:なんだったけな? そうそう、日経BPの木村さんという変な記者と……。
大谷:そこだけはリアクションできないです。すいません。
長谷川:そうやね。日清食品の喜多羅さん呼んで、「ユーザー情シスはあほや」みたいなセッションと、「SIerの寿命、あと5年やで」みたいなセッションを酒呑みながらやります。青木に酒買ってこい言うたら、「ええっ?」言われました。
大谷:そりゃ、言いますよ(笑)。
長谷川:「酒場放浪記」というタイトルだから呑んでもいいんだよと買ってこさせました。
大谷:なるほど。大谷はこのままここで取材ですが、がんばってください!
長谷川:で、この衣装はもらってってええの?
大谷:ごめんなさい。長谷川さんのあとにあと3人着るんですよ(笑)。ぜひ東急ハンズで扱ってください。

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