音楽を聴くことにフォーカスするアプリも
アーティストによっては、自分の音楽を単に聞く以外の目的で使われたくない、というかもしれません。それも尊重すべきでしょう。アプリ内での再生もきちんとロイヤリティが支払われて、大ヒットゲームの中で人気楽曲になったら、これまでとは違う大きな収益源にもなる可能性があります。
こうしたことをするためには、Appleは、Apple MusicにアクセスするためのAPIが必要になるでしょう。iOSの他のAPIの名前を習えば「MusicKit」というところでしょうか。これによって、Apple Musicを再生する他のアプリを作ることもできるでしょうし、アーティストは、自前のアプリを作って、Apple Music経由で楽曲を聞いてもらうこともできるはずです。
Apple Musicの会員集めにも寄与するかもしれません。ゲームやアーティストのアプリ、Podcastが、新しいApple Music会員を集めたら、きちんとロイヤリティを払えば良いと思います。
音楽がサービス化すると、位置情報や時間などの情報と音楽再生の関係を取ることもできますし、街中で動いている人々がどこでなんの音楽を聞いているのか、5分程度ずつの線のデータが街にマッピングされていく様子も見てみたいです。
6月13日からAppleは開発者会議のWWDC16を開催し、1周年となるApple Musicのデザインを変更すると言われています。ぜひ、音楽のサービス化という面白い動きを作って、盛り上げてほしいなと思っています。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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