NTTコミュニケーションズは5月9日、さまざまな業種においてセキュアなIoT環境を実現する「IoT Platform」のサービス提供を開始した。第1弾として、製造業向けの「IoT Platform Factory パッケージ」を5月16日より販売する。
同パッケージでは、IoTの導入に必要となるデータ収集・分析アプリ、セキュアなネットワーク、プライベートクラウド、産業機器やセンサー類に接続するデバイスをまとめて提供する。クラウドサービスやモバイル回線を利用することで、個別システムを構築するよりも導入期間が短く、ランニングコストも安価(月額2万2450円から)。インターネットを介さないモバイル回線からプライベートクラウドに直結することで、セキュアなIoT環境を実現する。
機能としては、産業機器やセンサー類から取得したデータを、NTT Comのクラウド基盤「Enterprise Cloud」に集積することで、工場と工場の間、あるいは工場と本社オフィスの間などでデータを共有・活用。例えば、本社や出張先などから各工場の稼働状況をリアルタイムにモニタリング可能となるため、スピーディーな計画変更指示やトラブル対応支援、ガバナンス強化やコンプライアンス強化などに役立つという。
エンドユーザーの工場に産業機器などを提供している企業にとっても、自社製品のモニタリングによるリモートメンテナンスや、製品開発へのフィードバックなどにより付加価値を高められる。
IoTの導入に必要となるデータ収集・分析アプリはシュナイダーエレクトリック社の「Vijeo Citect」およびジェイティエンジニアリング社の「JoyWatcher」を用意。これらはSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)と呼ばれる産業制御システムの一種で、生産ラインの機器などからデータを取得し、各機器のパラメータ設定などを制御できる。これらをパッケージに組み込んで提供する。アプリの種類は今後も拡充していく予定だ。
価格は、アプリを含まない「Basicプラン」の初期費用が8万8400円(税別)から、月額費用が2万2450円(税別)から。
今後、第2弾として2016年7月に自動車向けのパッケージを、第3弾として2016年9月に各種機器・製品向けのパッケージを提供する予定。