「世界の亀山モデル」の薄型テレビをミャンマーのテレビ市場で見るようになった。
文字通り「世界の」亀山モデルとなったのかと言われれば、それは微妙だ。「亜州娯楽城」(Asia Entertaiment City)という、漢字と英語で書かれた古い建物内には、「世界の亀山モデル」「地デジ・BS/CSダブルチューナー」などといった、日本語のシールが貼られたままの日本の「中古テレビ」をぎっしりと置く個人商店が密集する。
ミャンマーの地デジ放送は「DVB-T2」という、欧州・豪州・東南アジア・南アジア・アフリカで採用されている規格を採用し、それにあったテレビが売りだされているが、チューナーとパラボラアンテナで利用できる日本のテレビもニーズがあるわけだ。
亜州娯楽城では、テレビに加えて、プレイステーション2本体と、海賊版のソフトを販売するゲームショップや、新品の「EVDプレーヤー」と書かれたDVDプレーヤー、「SAMSONIC」といった日韓人気を感じる謎のメーカーの新品家電を販売するショップが軒を連ねる。
EVDについては、筆者も所有したことがあり、過去の記事でも紹介したが、タイトルが単体で販売されず、「DVDを駆逐する」という掛け声と裏腹に、まったく売れなかった規格の製品群である。
「アジア最後のフロンティア」と枕詞がしばしば付くミャンマーを紹介する記事では、テレビもしかり、日本のさまざまなものがミャンマーで第二の人生を送っていることが語られる。
ミャンマーを代表する都市のヤンゴンでは、JR東海やJR北海道で活躍した「キハ」の名がつく気動車が走っていたり、右側通行なのに左側通行の日本の中古車が走っていたりして、インパクトがあるので紹介されやすい。
ラッピングされて、日本でかつて走っていたことがわかりにくくなっているものもあるが、またまだ日本の姿そのままで走っているものや、日本メーカーのロゴを付けて走っているものもあり、日本製品が支持されていることをうかがい知ることができる。
これについては、ヤンゴンと中古車の単語で画像検索してもらえれば、多数確認できよう。
この連載の記事
-
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる -
第210回
スマホ
中国で中古スマホ市場が真っ当化 中華スマホが安く買えるようになった -
第209回
トピックス
海外旅行でAIアシスタントを活用したら、見知らぬ場所にも行けて旅が楽しくなった! -
第208回
トピックス
中国のゲーマーが20数年待ち望んだ国産AAAタイトル『黒神話・悟空』の人気で勝手にビジネスを始める中国の人々 -
第207回
スマホ
折りたたみスマホが次々と登場する中国 カワイイニーズ&成金ニーズがキーワードか -
第206回
トピックス
AI時代に入り、中国独自の半導体による脱米国の可能性は少し出てきた!? -
第205回
トピックス
中国のガジェットレビューがメッチャまとも&有用になっていたのにはワケがあった -
第204回
トピックス
必死に隠して学校にスマホ持ち込み!? 中国で人気のスマホ隠蔽グッズは水筒に鏡に弁当箱 -
第203回
トピックス
死んだ人をAIを動かすデジタル蘇生が中国で話題! 誰もが「死せる孔明生ける仲達を走らす」時代に!? -
第202回
トピックス
停滞感があった中華スマホだが、生成AIが盛り返しのきっかけになるかも -
第201回
トピックス
ようやく高齢者にスマホが普及し始めた中国 ECで爆買い、そして詐欺のカモにされることも - この連載の一覧へ