本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
「Live Photos」の仕組み
iOS 9で登場した動く写真、「Live Photos」。これまで対応モデルはiPhone 6s/iPhone 6s Plusに限定されていたが、3月に発表された4インチ端末「iPhone SE」および9.7インチ版「iPad Pro」でもサポートされた。同じく3月にリリースされたiOS 9.3とOS X El Caitan 10.11.4も、Live Photosを扱いやすいよう改良されている。
このLive Photos、あらかじめ「カメラ」アプリでLIVEモードを選択しておけば、通常の写真を撮影するときと同様、シャッターを切るだけで撮影できる。これだけで、シャッターを切る前後の約1.5秒、あわせて約3秒の動画が静止画とともに記録されるのだ。シャッター音は「ポロン」というかわいらしいもので、通常の撮影モードより目立たずに撮影できるという利点もある。
Live Photosは静止画部分のJPEGファイルと、動画部分のMOVファイルに分けて記録される。OS Xに付属の「イメージキャプチャ」を利用すればわかるが、Live Photosとして撮影したものは「IMG_XXX.JPG」と「IMG_XXX.MOV」というふたつのファイルに分かれている。
静止画の解像度は、通常モードと同じ4032×3024ピクセル。動画の解像度は1440×1080ピクセル、フレームレートは15fpsだ。H.264でエンコードされ、音声はリニアPCM(44.1kHz/16bit/モノラル)とあわせて記録される。
イメージキャプチャからそのままOS Xに取り込むと、JPEGとMOVとで独立したファイルになるが、Live Photosをサポートする「写真」へドラッグ&ドロップしてインポートすればひとつの書類として認識され、動きのあるコンテンツとして利用できる。ダブルクリックで開くと、それぞれのファイル形式/拡張子に対応したアプリ(JPEGは「プレビュー」、MOVは「QuickTime Player」)が起動するだけで、Live Photosとしては扱われない。
Live Photosとして撮影されたJPEG/MOVファイルかどうかを判定する方法だが、拡張子を除くファイル名が共通などという単純なものではない。「ExifTool」などのツールを利用してJPEG/MOVファイルを調べればわかるが、MOVファイル側に一意の番号(UUID)がメタデータとして記録されており、一致する場合にLive Photosとして扱われるのだ。だから、適当なJPEG/MOVファイルの名前を整え、「写真」アプリへ同時にドラッグ&ドロップしても、別なファイルとしてインポートされる。
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