ここに来て、LTE対応なのに1万円台で購入できるエントリークラスのSIMフリースマホがいくつか登場している。Acer「Liquid Z330」もそんな1台。国内では楽天モバイル限定で、購入時に契約が必須のセット販売モデルながら、価格はなんと1万2960円(データSIMとの組み合わせも可)。果たしてどんな端末なのか、写真を中心に見ていこう。
4.5型FWVGA液晶、1GBメモリー、8GBストレージと
エントリークラスのスマホでは標準的なスペック
まず主なスペックをチェックすると、4.5型FWVGA液晶(480×854ドット)、クアッドコアのSnapdragon 210(MSM8909) 1.1GHz、1GBメモリー、8GBストレージ(microSD対応)、500万画素カメラ(イン500万画素)、2000mAhバッテリー、Android 5.1など。ネットワークでは、前述のようにLTEに対応し、バンド1/3/19/28をサポートとドコモMVNOで利用するにはまったく問題ない。
ちなみに1万円台前半のLTE対応SIMフリースマホとして、先週にFREETELの「priori3 LTE」を紹介しているが(関連記事)、それと比較するとディスプレーやメモリー、ストレージでは共通している。カメラはpriori3 LTEは800万画素/200万画素なので、リアカメラは下で、インカメラでは上となる。
性能が高いとは言いがたいが
価格以上に堅実な作りで比較的安心して使える1台
スマホメーカーとしてはまだ国内参入から間もないが、パソコンメーカーとしては日本でもおなじみのAcerだけに、ハードウェアの仕上がりは堅実。高級感があるとはさすがに言いがたいものの、ヘアライン風塗装が加えられた背面パネルを含め、実用機としては不満がないデザインであるのと同時に、使っていて不安を感じさせるような部分がないのも気持ちがいい。ディスプレーの品質やコーティングもなかなかよく、安っぽさは感じない。さらにバッテリー残量のパーセント表示もほぼ正確だった。
実際の使用感についても同様だ。さすがにアプリによっては起動するまで多少の間があったり、スクロール操作の始めに若干もたつきが生じることもあるが、それはスペック的に仕方がない部分。逆にタッチパネルの追従性には問題を感じず、フリック入力で文字を取りこぼすことはほぼなかった。これは正直タッチパネルにやや難有りだった、priori3 LTEとの差を感じる部分だ。
少し気になったのがストレージの空き。楽天モバイル専売モデルとはいえ、プリインストールアプリが多く、8GBストレージモデルとしても初期状態での空き容量がかなり小さい。microSDの追加も可能だが、すべてを逃がせるわけではないので(アプリのmicroSDへの移動は対応している)、使っていくうちに苦労する場面はあるかもしれない。
Liquid Z330の購入には楽天モバイルとの契約が必要なため、価格帯は同じでも、端末単体で入手可能なpriori3 LTEとの直接比較は適切ではない部分もある。ただ、堅実で不満がない作りは印象的で、現在の販売価格を上回る価値を確実に感じる。より幅広い形で入手できるようになることをついつい期待したくなる1台だ。
Acer「Liquid Z330」の主なスペック | |
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ディスプレー | 4.5型液晶 |
画面解像度 | 480×854ドット |
サイズ | 約66.5×136×9.6mm |
重量 | 約142g |
CPU | Snapdragon 210(MSM8909) 1.1GHz(クアッドコア) |
内蔵メモリー | 1GB |
内蔵ストレージ | 8GB |
外部メモリー | microSDHC(最大32GB) |
OS | Android 5.1 |
対応周波数 | FD-LTE:バンド1/3/19/28 W-CDMA:バンド1/6/19 4バンドGSM |
無線LAN | IEEE802.11n(2.4GHz対応) |
カメラ画素数 | リア:500万画素/イン:500万画素 |
バッテリー容量 | 2000mAh |
SIM形状 | microSIM |
カラバリ | ブラック、ホワイト |