メキシコおよびスウェーデンの研究チームは12月10日、太陽系外縁天体もしくは太陽系に最も近い恒星を発見したかもしれないという論文をプレビューとして公開した。
これは太陽系外縁天体の探索を行なっている研究ではなく、アルマ電波望遠鏡によるアルファ・ケンタウリの観測を行なっていた研究チームよる報告。アルファ・ケンタウリ(ケンタウロス座アルファ星)は太陽系から4.39光年と、地球に最も近い恒星として知られる。
アルファ・ケンタウリは3つの恒星からなる連星系だが、アルファ・ケンタウリAおよびB(もうひとつのプロキシマ・ケンタウリは離れていて小さい)から角度にして数秒のところにもうひとつの天体らしきものを発見。10ヵ月にわたる観測の結果、これはアルファ・ケンタウリ星系には属していないと結論付けた。
天体がなんであるかはまだ分かっていないものの、非常に暗い赤色矮星(温度が低い恒星)であるか、冥王星をはるかに超える外側で太陽系を回る未知の惑星(または準惑星)ではないかと推測している。距離やサイズ、そもそもどんな天体なのかは現時点では不明(距離が遠ければ赤色矮星と考えられるが、近ければ太陽系外縁天体と考えられる)。いずれにせよ他の望遠鏡による観測などでの検証が待たれている。