Apple Pencilを使うとスライド作成は速くなる
Apple Pencilは、メモに加えて、スライド作成にも関係してきます。
筆者は主に、AppleのKeynoteでスライドを作成していますが、iPad Proで動作するMicrosoft PowerPointは、Apple Pencilをサポートしており、しかも円や四角といった基本図形をペンで描くと、自動的に整形し、キレイな線の図に仕上げてくれます。複雑な図であっても、ペンですらすらと図形を描いて、文字を入れる前の状態まで仕上げるスピードは比べものにならないほど上がりました。
また、スライドにはイメージ図も必要になります。これまでトラックパッドで図形を組み合わせて作ってきましたが、Paper by Fiftythreeを使うと、前述のPowerPointのようにキレイな線の図画作成でき、塗りつぶし、重なり、ぼかしといった効果も簡単に施すことができます。
PowerPointで作成する手続き的な図よりも、もう少しイメージを伝える、柔らかなトーンの図を作ることができるPaperは、すでにApple Pencilの筆圧もサポートしており、また筆先を変えるとちょっとだけイラストっぽい効果を加えることもできます。
こうして作成した図を、Keynoteのスライドに貼り付けることで、今までとは少し異なるトーンのプレゼンテーションや資料を作成することができるようになりました。
原稿を書きながらの音楽再生は至福の時間
さて、タブレットとパソコンの間にある葛藤については、紙幅の関係で次回に回すことにします。最後に、iPad Proを使っている最も至福の時間について触れておきましょう。
テキストエディタで文章を書いている時間が最も長い筆者にとって、音楽はとても大切な仕事のお供になります。しかしながら、すっぽり耳にかぶせるタイプのヘッドフォンも、耳の中に入れるイヤホンも、長時間つけ続けていると、いくらサイズを合わせていても少し痛くなってきてしまいます。
そこでスピーカーで音楽を聴きながら楽しむ事も少なくないのですが、iPad Proの4スピーカーが奏でるサラウンドは、なかなか快適で、非常に楽しむ事ができます。本職のスピーカーに比べれば低音の迫力はありませんが、顔の前で適度に包み込むような音場が作られているようで、不思議とプライベート感がある空間が作られているような感覚。
デバイスの向きに応じて、上2つは中高音、下2つは低音と、自動的に出力される帯域を切り替えてくれる仕組みですが、キーボードでの作業が多いとあまり使うこともない機能かも知れません。ローテーションとかした方がよいのかもしれませんが、どうなんでしょう?
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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