通天閣の撮影ツアーも実施
通天閣の秘密の場所でドローンも飛んだ! 開発中アクセサリーも披露された『ASCII THETA部』大阪ユーザーイベント
2015年11月18日 17時00分更新
11月14日、リコーの全天球カメラ『RICOH THETA』の活用を追求するコミュニティー『ASCII THETA部』の第2回ユーザーイベント『THETA部の集い in 大阪』が開催された。会場は大阪市『通天閣わくわくランド』内のイベントスペース『STUDIO210(スタジオ・ニーイチマル)』。
通天閣の展望台からTHETAで撮影!
普段は入場できないエリアも特別開放
第1回の東京イベントに続き、RICOH THETA(以下、THETA)好きの一般ユーザーを招いて開催された今回のイベント。初の地方開催ということもあり、イベント第1部は会場をお借りした通天閣から特別に許可をいただき、展望台を含む通天閣の施設内でTHETAを使った撮影ツアーを実施する運びとなった。
当日は5階の展望台から、4階、3階、2階と徐々に降りていくコースを設定。第2部トークセッションに登壇する週刊アスキー編集長の宮野友彦、角川アスキー総合研究所 主席研究員の遠藤諭、THETAの開発に携わった株式会社リコー VR事業室長の野口 智弘氏をはじめとするリコー関係者の方々も参加し、ユーザーとの談笑を交えながらのツアーに。
また、通常非公開となっている3階屋上部分にも特別に入場するといった貴重な機会も設けられ、THETAの特徴的なシャッター音が絶えない賑やかな時間となった。
開発中の専用アタッチメントも間近で見た!
第2部のトークセッションは、宮野、遠藤が通天閣で撮影した全天球写真の披露からスタート。全天球写真を見ながらツアーを振り返ったが、遠藤は通天閣のマスコットである『ビリケンさん』をかたどった『真実の口』の中にTHETAを突っ込んで撮影したユニークな写真を公開。「ボディーが小型なので、こういう写真も撮れるのがTHETAのいいところ。狭い場所が結構(撮影するのに)いい」とコメントした。
野口氏はTHETA開発のきっかけについて、「最近、SNSに写真をアップロードすることが流行しているけど、他の人が見て面白い写真は実はそれほどない。今までの価値観とは違う、新しいコミュニケーションを生む写真が必要なのではないか、という着想があった。その場のもわっとした雰囲気を全部包み込むように写しとれたら、というのが最初のコンセプト。具体的に『こういうシーンで使って欲しい』ということはあまり想定していない」と語った。遠藤は「従来の写真は『何を切り取るか』という撮り手のわがままが大きく、見る人に対して撮り手の優位性がある。THETAの写真は見る人が360度を好きに閲覧でき、撮り手の主観が入る余地があまりないので、見る人に優位性がある。そこが逆転していると思う」とコメントした。
ボディーの形状について「なぜこの形になったのか」と宮野が疑問をぶつけると、野口氏は『ポケットに入れたりとか、携帯性を考えたときにこの形状がベストだと思った。』と語った。液晶がボディーにないことについては「写真のフレームの概念を壊す製品なので、ファインダーも必要ないのではないかと考えた。ただ、実際使ってみると、撮りたいものにどの程度近づけるかで360度でも雰囲気が変わってくるので、ユーザーによっては確認したいという人もいる」とした。
また、警察や消防、学術研究など、THETAを活用したさまざまな事例が生まれていることにも話が及んだ。遠藤は、「すでにやられているか分からないが、ロケットに装着して動画を撮影すると映えるのではないか」と指摘。宮野が「THETAはどの程度気圧に耐えられるのか」と疑問を口にしたところ、実際に成層圏までは打ち上げたことがあるという興味深いエピソードが披露された。その状態でも気圧には耐えられるものの、低温でレンズが曇ってしまい、撮影は難しいとのことだった。
今後実装してほしい機能について、宮野は「ボディーの防水化(現在はアクセサリーとして防滴のケースを販売)と手ぶれ補正、動画機能の強化」、遠藤は「アクセサリーの充実」と要望を述べた。会場からもアクセサリーの充実を求める声が上がり、宮野が「三脚穴を利用すると底面にケーブルが挿せなくなる」問題を指摘すると、現在開発中だというTHETA専用三脚マウントが披露された。軸部分が細長く、三脚使用時でもケーブルを挿すことが可能になるとのことで、製品化に向けて最優先で開発しているという。
VR体験会は引き続き盛況
第3部では、THETAの写真・動画を『Oculus Rift』などのVRヘッドマウントディスプレーで見られるVR体験会、および懇親会を実施。実際にOculus RiftやGear VRを体験できたほか、リコーのTHETA開発に関わった方と直接会話もできる、貴重な機会となった。