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ひさびさに懐かしい映画を見てみると、思いがけない発見をすることがある。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART II」で主人公マーティが訪れたのは2015年、つまり今年だ。ついにその年が来た! と、タイムラインがマーティとドクのネタで染まっていたのはつい先月あたりの話。
大手企業も映画の実現に本気を出して話題を集めていた。たとえばナイキが自動で靴ひもをしめるスニーカーを作ったり、レクサスがホバーボードを作ったり、資源エネルギー企業・日本環境設計がゴミをバイオ燃料に変えたり。
みんなが大騒ぎする「バック・トゥ・ザ・フューチャー祭り」の熱気にあてられ、ひさびさに見たくなったわたし。huluをひらいて見はじめたところ……
あれ、普通に現実化してないか、これ!?
いやほんと、びっくりするほど現実化してるのだった。当時はそんなの無理だと思っていたはずなのに、今は普通にあるよねというテクノロジーだらけ。
ロバート・ゼメキス監督の先見性がさすがなのか、アメリカ企業の進化がすごいということなのか、とにかく見つけるたびに「うわっこれもだ!」と驚いてしまった。あらためて1989年の映画というのが信じられない。
驚きの場面を本編登場順に紹介していく。大人の事情で場面写真がないところも多いので(ごめんね)、huluもしくはパッケージで確認しながら見ると楽しい。きっと「うわっ、マジだ!」と笑ってしまうところがあるはず。
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ブルーレイBOX: 7020円/ DVD-BOX :4860円≪各4枚組≫
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© 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
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現実と比較したい名場面9+1
1 電気自動車の自動充電システム
(登場シーン:11分50秒)
空飛ぶ自動車はまだ大量生産されていないけど、電気自動車の自動充電システムはすでにテスラがつくっている。まさに映画に出てきたのと同じように、ロボットが充電ケーブルの触手を伸ばすタイプだ。ちなみに自動充電システムはテキサコ(シェブロングループの燃料ブランド)が展開していることになっている。
2 マイケル・ジャクソンが合成映像で接客
(登場シーン:13分)
1980年代を再現したカフェ「カフェ80s」では、テレビに映ったマイケル・ジャクソンが接客してくれる。合成音声と合成映像で、多少バグりながらも「メキシコ風のトルティーヤもおすすめだよ」とおしゃべり。合成音声はボーカロイドがあるし、接客ロボットはPepperを初めいろいろ登場している。テクノロジーはすでにそろっている。あとは権利面をどうにかすれば「カフェ80s」の完成だ。
3 グリフ事件をドローンカメラが撮影
(登場シーン:23分55秒)
マーティと宿敵ビフの孫、グリフのホバーボード対決シーン。グリフは仲間もろともヒルバレー裁判所につっこんでしまう。この事件を取材すべく、大衆紙「USA TODAY」ではドローンカメラを飛ばしてグリフたちの顔を撮影している。ここで撮った写真が1面記事に。まもなく現実でもそんな日が訪れるかも。なおあとのシーン(32分34秒)ではドローンが犬を散歩させたりしている。
4 指紋認証のスマートホーム
(登場シーン:27分34秒)
2015年の自宅は、ドアについた指紋認証で誰が帰ってきたか認識して「おかえりなさい」と迎えてくれる。ちなみに後のシーンで「温度がヘンだな」といってエアコンまたは温湿度計らしき操作パネルを調整するところがある(32分)。もしかしたらグーグルが買収した「ネスト」のような制御システムがあるのかも。
5 高解像度の「デジタル窓」
(登場シーン:28分5秒)
2015年の窓はディスプレイになっていて、リモコンで好きな景色が選べるようになっている。現実の2015年でも、すでに4K解像度の「デジタル窓」こと「Atmoph Window」は登場している。映画に登場したのはプロジェクション型なので、まだ開発の余地はありそう。ちなみに劇中ではなぜかブラウン管テレビのようなノイズが走り「まだ修理してないの?」と怒られている。
6 家庭用水耕栽培キット
(登場シーン:31分21秒)
キッチンの天井からシューッと降りてくるのは果物の栽培キット。今ではさまざまなメーカーが発売している水耕栽培キットを、ハウスメーカーがビルトインで入れたらこうなるのかも。このあたり、家の中に登場するものは本当に実現しているものが多い。まあ、いまだにファックスを使ってたりするんだけどね……。
7 音声認識テレビ
(登場シーン:31分35秒)
マーティの息子マクフライ・ジュニアが「チャンネル18、24、63、109、87、あと天気予報も」というと、チャンネルが同時に表示される。テレビは壁かけタイプで、ジュニアはちょっと傾いたのを直したりもする。音声認識、多チャンネル表示、壁かけテレビ、すべてのコンセプトが当時としては新鮮だったんだろう。あとのシーンではテレビ電話に切り替えて使っている(34分17秒)。
8 謎のVRディスプレイ
(登場シーン:33分39秒)
マクフライ・ジュニアと妹の2人は、食事中にも謎のVR系ディスプレイをつけている。何を見ているのかはわからないのだけど、どうも家にひいている電話回線とつながっているようで、電話があったとき「PHONE」と表示されている。
9 自宅でカード認証
(登場シーン:35分25秒)
2015年のマーティは、ニードルスに挑発されて「誰にも腰抜け(チキン)なんて呼ばせない!」とカードを認証してしまう。コンピューターでカードをスキャンすると完了、つまりはこれインターネット認証のしくみだ。今では携帯電話でもできるようになってしまっているのだから、現実があっさり追い抜いた感もある。なおマーティは「伊藤富士通さん」という謎の上司にクビにされる。
おまけ 初代マッキントッシュが「アンティーク」に
(登場シーン:12分40秒)
ちょっと毛色が変わって、ギャップが面白いものも。たとえばマーティーがスポーツ年鑑を買う骨董品店で初代マッキントッシュが「アンティークコンピュータ」として売られている。たぶん当時のジョークなんだけど、今じゃ本当に貴重品。ちなみに一緒に売られているのはJVCケンウッドのブラウン管テレビや、マグナボックスのかっこいいトランジスターラジオ「ウィークエンダー」など。
紙の週アスもお久しぶりに登場だよ
こうしてまとめてみると、あらためて「未来予測」の精度に驚かされる。
日本のロボットアニメや特撮もそうだけど、フィクションが現実の技術革新に影響を与えるというのはいろいろなところで聞く話。それにしてもここまで現実が映画を再現しているとは思わなかった。もしかしたら他の映画をひさびさに見てみると、意外と「これは!」という発見があるのかもしれない。
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