河森正治さんとコラボレーションした
電動モビリティ「COMSCONNECT」
トランスフォームをキーワードにしたもう一台のコンセプトカーが、トヨタ車体の「COMSCONNECT」(コムス コネクト)だ。コンビニエンスストアなどの配送車両としても使われている小型電気自動車「コムス」を製造しているトヨタ車体の考える次世代コミューターは、様々なユーザーニーズに応えるために“デリバリー”、“パーソナル”、“タンデム”といった仕様にトランスフォームするというコンセプト。
インホイールモーターで、運転がジョイスティックのようなコントローラーになるという想定も、未来のコミューター像としてリアリティーがあるものだ。
その「コムス コネクト」のトランスフォームという開発キーワードを、よりイメージするために作られたというスクラッチモデルに注目。こちらは、ビジョンクリエーターの河森正治さんのアイデアによるもので、人が乗っている「ウォークモード」と自律して動く「ロイドモード」にトランスフォームするという。
トヨタ車体のエンジニアも」ロイドモードであれば可能かもしれません」と、このアイデアに刺激を受けていたのが印象的だった。
停まったところがお店になるを名前で表現
ダイハツ「TEMPO」
いかにもSF的な外観を持つトランスフォーム系コンセプトカーとは別に、変身することのメリットをアピールするのがダイハツのコンセプトカー「TEMPO(テンポ)」だ。
同社には、かつてデリバリーバンと呼ばれる背の高い軽商用モデルがあった。名前からもわかるようにもともとは近距離輸送をイメージしていたが、そのパッケージから移動店舗として活用されることも多く、いまでもイベントなどで見かける。
そうした移動店舗としての使い勝手を最優先して考えられた軽自動車コンセプトが、この「テンポ」なのだ。停まった場所で、助手席側のガルウイングを開けば、そのままカフェになるというディスプレーで利便性をアピール。ボディ側面や内部にデジタルサイネージを組み込んでいるのもリアリティがあり、いかにも自動車メーカーらしい現実的なトランスフォームカーの提案だった。