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偽造品を撃退!! NECが“物体指紋”認証技術を強化 - プラスチック樹脂や塗装、皮革も認識可能

2015年09月30日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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ダッドウェイと提携、
「エルゴベビー」の日本向け新製品をデータベース化

 第1弾として、ダッドウェイと提携。同社が日本正規総代理店として取り扱う、米大手ベビー用品メーカー「エルゴベビー」(Ergobaby)の日本向け製品に適用。11月から発売する抱っこひもの新製品から採用する。

 新製品では、「ベビーウエストベルト」と呼ぶ新たな機能を搭載。赤ちゃんの腰回りをしっかりとサポートするのが特徴だ。

 同社製品では、2015年2月に、偽装品が多数発見されるという問題があった。現在では、税関や協力会社の協力を得て、沈静化の方向へ向かっているという。だが、今後も安心して利用してもらうために、同ブランドの偽造品対策に取り組む姿勢を明らかにしており、その一環として、NECの物体指紋認証技術を先行して採用。偽造品対策に取り組む。

 日本で流通する新製品は、すべての製品の一部分を撮影してデータベース化する。撮影箇所や方法については、この仕組みを最大限に活用するためのセキュリティの観点から、非公開としている。

ダッドウェイが11月から発売する「エルゴベビー」の抱っこひも

 ダッドウェイ エルゴベビー事業本部チーフ・布施真行氏は、「正規ルート以外で販売されている製品などを取り寄せ、真贋判断を行ない、それらの製品を取り扱う業者に対して、警告措置を取るといった活用を想定している」とした。個人ユーザーが真贋判定を行なうことはできない。

ダッドウェイ エルゴベビー事業本部チーフ・布施真行氏

 NEC 情報・メディアプロセッシング研究所・山片茂樹所長は、「偽造品は年々増加傾向にあり、正規メーカーや流通業者の金銭的損害は大きい。また、昨今では、偽造品が日用品などにも広がり、偽造品の使用が人命にかかわる事故を招く危険性も指摘されている。だが、製品ごとにタグを付けたり、特殊加工をするには膨大なコストや時間が必要になるほか、正規商品の識別には、専用の装置や専門家の知識が必要であり、こうした難しさが、偽造品の流通を阻止できない理由になっていた。今回の物体指紋認証の技術強化により、様々な商品の偽造品防止に寄与できる」としている。

NEC 情報・メディアプロセッシング研究所・山片茂樹所長

 NECは、今回のダッドウェイへの提供をはじめ、今後、ブランド品に限らず、日常生活に関わる安全装備品、日用品、医療・健康分野の商品などにも適用先を拡大していくことで、「安全・安心な社会の実現に貢献したい」(同)としている。


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