Editors' Lounge #01 LiNK-UP代表取締役 小田吉男CEO
『25円しゃぶしゃぶ』なぜできた 繁盛店の意外なカラクリ
2015年09月29日 15時41分更新
可能性を信じたら成功するまでやめない
小田CEOは「成功するまでやるからですよ」とあっさり言う。
もちろん引き際の見極めはあるが、多少のリスクがあるからといって事業で妥協はしない。たとえば『KAWAII MONSTER CAFE』だ。
きゃりーぱみゅぱみゅのアートディレクター、増田セバスチャンさんとタッグを組んで、コラボレーションという形でつくったカフェ。東京にくる理由がかわる、というキャッチコピーのもと、かわいい世界観づくりを徹底した。
店内にある『スイーツゴーラウンド』は東京ディズニーランドを手がけたチームに製作依頼。東京ディズニーシーにある『リトルマーメイド』の雰囲気を意識した席もつくった。特製メニューのスイーツも徹底的に手を抜かない。
品質を追求するだけ予算は上がる。しかし「絶対に中途半端にはやらない。お金だけかかって、良い作品にならなかったら仕方ないので」と、最高の世界観づくりを徹底。おかげで店は今年8月のオープンから行列つづきだ。
秋葉原@ほぉ~むカフェにしても、じつは訪日外国人客を相手にしようと考えて先行投資をしていたのは2010年くらいからだった。しかし、折悪しく東日本大地震が起き、観光どころではなくなってしまったという過去がある。
インバウンドどころか、日本から外国人が消えてしまった。店そのものも「不謹慎だ」と言われ、売り上げも出ないまま、ひたすら家賃と給料が出ていった。それでも歯を食いしばって経営を続けてきた結果が、いまにつながっている。
いま小田CEOが興味を持っているのはドローンだ。
産業用ドローンは大規模農業などに使われている。ドローンを牛や馬と同じものと考えれば、娯楽方面に応用できないか。たとえばドローンで闘牛や競馬のようなバトル、レースをアミューズメント展開できないだろうか。
時代を超え、人の心を躍らせるものは何か。本質を見極め、時代に即した形に変え、可能性に賭けられる肝力こそ小田CEOの真骨頂だ。繁盛店のカラクリは、普遍性と現代性を両立させる「編集力」にこそ隠れている。
なお、次回「Editors' Lounge #02」は11月14日(土)。ポップカルチャーメディア『KAI-YOU』武田俊さん、雑誌『ケトル』嶋浩一郎さんをゲストに迎え、御茶ノ水デジタルハリウッド大学で開催予定。詳しくはFacebookページに掲載される。