BlackBerry社は9月25日、初のAndroidスマートフォン「PRIV」の存在を公表した。BlackBerryの特徴であるQWERTYキーボードを搭載したスライド式のフォームファクタとなり、プライバシーとセキュリティーを差別化要素としている。
PRIVはスライド式のスマートフォンでOSにAndroid 5.1を採用した。BlackBerryは長らく独自OSを用いてきたが、数年前からはAndroidのアプリが動くアプリ互換性を提供している。それでもAndroidをOSに採用するという点では同社初となる。
ハードウェア側でBlackBerry最大の特徴である物理QWERTYキーボードを搭載し、同じくBlackBerryの強みの1つとされるプライバシー、それに生産性についても、Googleとの協業により実現するという。このようなことから、PRIVはAndroidユーザーに選択肢を与え、かつ既存のBlackBerryユーザー向けと位置付けている。
AndroidスマホはSamsung、Huaweiなど競合ひしめく市場だが、セキュリティーやプライバシーを差別化とする意向だ。BlackBerryの会長兼CEOのJohn Chen氏は「BlackBerryはクロスプラットフォーム戦略を構築することにフォーカスしており、Androidデバイスのローンチは巨大な新しい市場のチャンスとなる」とコメントしている。一方でBlackBerry端末に向けては、「BlackBerry 10スマートフォンの取り組みも継続する」と述べている。
BlackBerryは2013年初めに発表したBlackBerry 10を搭載したスマートフォンである「BlackBerry Passport」「BlackBerry Classic」で、コンシューマー、企業、政府からの需要があるという。
同社は同日、2016年会計年度第2四半期(2015年6~8月期)の決算を発表、売上高は4億9100万ドル、純損益は6600万ドルを計上した。売上高は前年同期の9億1600万ドルからの大幅な減収となった。一方で、売上の約15%を占めるソフトウェアとサービス事業は前年同期比19%増で成長した。ハードウェアは41%を占め、約80万台を売り上げ、平均販売価格(ASP)は240ドルだった。
BlackBerryはPRIVの詳細なスペック、価格や発売時期と地域などの詳細情報は発表していない。