スマホで鍛えられた頭脳がマルチコプター(いわゆるドローン)を高機能化する
クアルコム、4K撮影も可能なSnapdragonベースのマルチコプター・コントローラー発表
2015年09月11日 16時14分更新
クアルコムは9月10日、スマホ用CPUのSnapdragonを心臓部としたマルチコプター・コントローラーを発表した。
マルチコプター・コントローラーは、加速度センサーやジャイロ、GPSなどの情報を処理して飛行制御するマルチコプター(いわゆるドローン)の心臓部。オモチャレベルのものから業務用空撮機まで基本的には同様の制御が行われており、シンプルなものではArduinoのような8bit CPUでも動作する。とはいえ、センサーやモーターの数が増えれば制御チャンネル数も増加し、また自律航法などの機能を盛り込めばコントローラーに処理能力が必要とされるため、ハイパワーなCPUが用いられる傾向にある。
コントローラーボードはSnapdragon 801をベースとしており、ワイヤレス機能としてWi-Fi、Bluetooth 4.0に加え、4G LTE用インターフェースを装備する。加速度センサーや気圧センサー、GPS、フローセンサー(カメラで地面を見て機体の水平方向の動きを検出する)といったセンサー用インターフェースを持つ。
クアルコムでは「世界初の超小形4Kカメラドローン」を謳っており、4K映像信号を扱うことが可能という。ボード上に4Kカメラが一体化しているというわけではないようだが、マルチコプターにカメラを搭載するだけではなく、撮影した4K映像をオンボードで720p映像に変換してリアルタイムビュー用にワイヤレス伝送することが可能なようだ。飛行機能は搭載センサーやプログラム次第だが、自律航法は当然ながら高解像度映像を扱う機能とCPUパワーにより、障害物を避けて飛ぶような飛行も十分可能という。
また、スマホで培った技術によりパワーマネジメントも充実、急速充電などのバッテリー管理機能もボード上に備える。ボードのサイズは40×58mm、重量13g以下。ソフトウェアはオープンソースのDronecode(従来からオープンソースで開発されていた飛行制御プログラムAPMをLinuxに移植するプロジェクト)を用いている。
ボードはAPM系マルチコプター製品やキットなどを販売している3D RoboticsよりOEM販売される予定で、2016年第1四半期には製品として発売されるという。