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人工知能で炎上対策 すごいぞクーロン『QuACS』

2015年09月11日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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良質なディスカッション文化を醸成したい

クーロン代表取締役 佐藤由太CEO

 クーロン代表取締役は佐藤由太CEO。2008年からJAXAでアジア太平洋地域宇宙機関会議のセンチネル・アジアプロジェクトに従事していた。

 2011年3月にJAXAを去った佐藤代表は、個人事業主としてクーロンを創業。オンラインメディア『ガジェット速報』(現・GGSOKU)をたちあげて、わずか1年半で国内大手メディアにならぶ月間PV1500万超のサイトに成長させた。

 クーロンを立ち上げたきっかけは東日本大地震だったと佐藤代表。

 人々が悲劇から立ちなおるには叡智の力が必要だ。インターネットには人と人がコミュニケーションをとることで叡智を深める場所があるべきだ。そこでメディアを会話の源とするコメント欄を礎にした事業展開を考えたのだという。

 しかし日本でコメント欄を導入するのは“匿名”の壁があった。

 日本のインターネット匿名利用者の割合は75%とダントツに多いという調査があるそうだ。2位のフランスでさえ45%、30ポイント以上の差がついている。どうしても監視をつける必要があり、そちらにリソースが食われてしまう。

 一方、欧米メディアでは記事をもとに読者同士が議論を戦わせるのがごく日常的な風景になっているという。FOXニュースなど大手メディアでは、1つの記事に8000人あまりが常駐してコメントをつけあっているという状態だ。

 コメントコミュニケーション目当ての利用者が増えれば、メディアとしても読者にリーチできる時間が長くなる。メディアが純広告をとるときの目安として「継続利用時間」という単位が利用できるようになるという話でもある。

 そこでまずは“炎上回避”を売り文句としてクアックスを展開しはじめたというわけだ。現在は国内メディアに導入を始めているが、すでに視野は海外にある。

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